リストラの関係でよく耳にする早期退職制度。
一方「早期退職優遇制度」という言葉も聞きますね?

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この2つ、実は異なる制度ですが、最近の報道などを見ると、同じように使われているケースもあるようですね。

ということから、ここではそもそも「早期退職制度とは」「早期退職優遇制度とは」各々どういったものなのか、また年齢や優遇条件などの規定があるのかどうかを見てみましょう。

早期退職制度と早期退職優遇制度

早期退職制度、早期退職優遇制度とは、どちらも大雑把に言えば、定年前に退職することで、退職金が上乗せされるなどの優遇が受けられる退職制度。

これは言葉を変えると以下の2種類となります。

  • 1. 希望退職制度
  • 2. 選択定年制

1の「希望退職制度」は、よく「早期退職制度」と呼ばれ、最近のリストラに代表されるように、会社の経営悪化に伴う人件費などの削減を目的とした退職希望を募集するもの。これにより整理解雇を回避します。

2の「選択定年制」は「早期退職優遇制度」とも呼ばれ、会社の業績等は関係なく人事制度として設けられているもので、社内の年代間の人員バランスを整える目的で退職希望を募集するもの。

ただ言葉だけで見ると、「早期退職制度」「早期退職優遇制度」はどちらもリストラ時に実施される「希望退職制度」と同じように使われるケースがあるようです。その時々でどちらのことを指しているのか、判断が必要みたいですね。

「早期退職優遇制度」の使用例

例えば、2014年に話題となった半導体メーカー「ルネサス」の例を見れば「早期退職優遇制度」という言葉が使われています。

また2015年1月に報道された電通の例では、「特別早期退職優遇制度」という言葉が使われています。

どちらもすぐ1の希望退職制度だと分かりますので、あまり細かいことは気にしなくても良さそうです。

それでは各々見ていくと...

希望退職制度

昨今ニュースで賑わせているのがこの退職制度。

ソニーやシャープ、東芝、ルネサス、電通と、名だたる会社で業績悪化のために人員整理が必要となり、早期希望退職者の募集をしています。

私も利用した制度ですが、その規定やどういった優遇条件があるか見てみれば、

年齢について

会社によって勿論異なりますが、すべての人が対称となるわけではありません。40歳以上、45歳以上、50歳以上、といった年齢制限や、勤続10年以上といった勤続年数など、状況により制限が設けられます。

私が応募した希望退職制度の場合では、勤続年数は忘れましたが年齢は確か40歳以上だったと思います。

優遇条件について

優遇条件については、多くは退職金の上乗せ(特別加算金)があります。

どの程度かはこれも会社によりますが、例えば1ヶ月から数ヶ月、6ヶ月、12ヶ月(1年)、24ヶ月(2年)等があったりします。

破格の6年分!

破格の例としてあげられるのが、2014年の10月に報じられた第一三共(2005年に三共株式会社と第一製薬株式会社とが経営統合して発足した製薬会社)の早期退職募集。

ここでは、対象は35歳以上60歳未満の社員。
そして通常の退職金に上乗せされる優遇措置としては、幹部社員では最大60カ月、一般社員では72カ月分の給与の上乗せとなっていました。

60ヶ月は5年分、72ヶ月は6年分の給与が上乗せされるというもの。
さて、あなたの給料で計算するとどれほどになるでしょう?

例えば、年収600万では、5年で3,000万、6年で3,600万。
第一三共ということから考えると、もっと多くて仮に年収1000万であれば、5年で5,000万、6年で6,000万、という金額が通常の退職金に加算されることになります。

これは非常に大きなものですね。通常の早期退職募集ではまずあり得ません。ちなみに私の場合はどうだったかというと、これはちょっと秘密です。

その他優遇条件

優遇措置には、転職先を無料でサポートしてくれる再就職支援サービスの提供もあります。企業によってはリクルートに代表される就職支援、人材紹介の会社と提携しており、その会社のサポートを無料で利用できるというものです。私も勿論利用させていただきました。

これらのサービスは、会社によるのかもしれませんが、転職だけでなく起業支援もしてくれたりします。

選択定年制

上で見てきたリストラなどで騒がれる希望退職とは異なり、こちらの選択定年制は、会社の人事制度として社内の年代のバランスをとる目的で、定期的に人事部が退職希望者を募集するもの。人事制度としてその会社で機能している制度です。

こちらは富士電機ホールディングスやIHIの例ですが、

年齢について

  • 富士電機ホールディングスの例
    57歳到達年度に選択。60歳から65歳までの6つの年齢から本人の都合で選択できる。
  • IHIの例
    59歳になった時点で定年を60~65歳の間で選ぶことができる

優遇条件について

退職金の割増等。

選択定年制についての情報はちょっとあっさりですが、会社などによってこの制度があったりなかったりしますので、お勤め先に是非一度確認してみてください。

退職の扱い

最後に、非常に重要となる退職の扱いについて。

上で見てきた優遇措置の内容も勿論重要ですが、この退職の扱いもとても大切です。

  • 希望退職制度: 会社都合退職
  • 選択定年制: 自己都合退職、または定年退職

この退職の扱いによって、退職後、つまり失業中に受けられる雇用保険が変わってきますので、退職を検討されている方は、自分の場合はどちらになるのかしっかりと確認しておきましょう。(勿論退職を申し出る前に確認です)

会社都合退職の場合

会社都合対象の場合では、失業保険の受給資格は「特定受給資格者」という資格となり、この資格を得れば、自己都合の退職に比べて失業保険の給付日数が手厚くされます。

雇用保険の加入期間によって変わりますが、例えば勤続20年以上で会社都合の退職である場合には、失業保険の給付日数は330日(約11ヶ月)です。

これを自己都合の退職の場合と較べてみると...

自己都合の場合

同じように、勤続20年以上で自己都合の退職の場合では、失業保険の給付日数は150日(約5ヶ月)。

会社都合に比べて半分以下となっています。
この差は非常に大きいですよ。

まとめ

  • 早期退職には2種類あり、
    • リストラなどでよく聞く早期退職は「希望退職」
    • 人事制度として定期的に行われるのは「選択定年制」
  • 希望退職では、40歳以上、50歳以上などの年齢制限が合ったり、通常の退職金に特別加算がついたりする。
  • 選択定例性では、(ここで見た例では)60歳になる前に60歳~65歳の間のどこタイミングで定年退職するか選ぶというもので、こちらも退職金の上乗せなどの優遇措置がある。
  • 重要のは優遇措置だけでなく、退職の扱い。
    希望退職では「会社都合の退職」、選択定例制では「自己都合の退職」扱い。
  • 会社都合の場合では、自己都合の場合に比べて、失業中に受けられる失業保険の給付日数が非常に手厚い。

早期退職では、その優遇措置と退職の扱いをよく見極めて判断すること重要です。

今後について考えれば

一番の問題は退職した後どうするか。

退職前に次の働き口を見つけていれば良いですが、それがない場合、運良くすぐ次の転職先が見つかるか、いたずらに時間だけが過ぎていくのか、それとも起業するのか、正にあなた自身の判断、将来へ向けてのビジョンが試される時。

起業せずどこかに再就職する、と考えているのであれば、退職前に必ず再就職先を決めておく、または話をはじめる、といったことをする必要があるでしょう。忙しくてそんな時間ありません、という方。それであれば退職は待った方が賢明です。仕事の時間を圧縮して早く帰宅したり、うまく休みをとるなどして転職先探しができないようであれば、会社を辞めた後もすんなり行く可能性は低いように思います。(特に40代、50代ともなれば尚更です)

私の場合では、40代後半で早期退職。その後はハローワークにも通ったり、その他の就職支援サービスを受けたものの、心は既に海外移住となってました。今では当初の予定通りに海外で暮らしてますが、他の会社に転職せず海外移住と決めた背景には、ネットを使えば海外にいても仕事ができる、という確信があったからこそです。これも1つの転職先というか、収入を得る先を決めていた、ということになるでしょう。

現状だけで判断して見切り発車、というだけでは、後々つらい状況になる可能性大と思います。今後を含め、少しでも経済的に安定する方向にもっていくには、新たな収入源を考えておく必要性も今まで以上に高まっているでしょう。

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