
「一生懸命に書いたのに、途中で離脱されてしまう…」
「記事を最後まで読んでもらえない…」
そんな経験、あなたにもきっとありますよね。実はこれ、ブロガーのほとんどが抱えている悩みになると思います。
でも実はこれ、「文章力が足りない」とか、「センスがない」とか、そういう話ではありません。原因はもっとシンプルで「読者を惹きつける小さな仕掛け」 が入っていないだけといって良い部分です。
この仕掛けとは「ゲシュタルトの穴」 という心理テクニック。これさえ知れば、あなたの文章は今よりずっと「読まれる文章」に変わっていきます。
この記事では、
- ゲシュタルトの穴って何?
- どうして読者は続きを読みたくなるの?
- タイトルや導入文にどう活かすの?
このあたりを、わかりやすく解説していきますね。
ゲシュタルトの穴とは?
まず「ゲシュタルトの穴」とはから。
ゲシュタルトの穴とは、
わざと情報を少し欠けさせて、読者の脳に「続きを知りたい」と思わせる技術のこと。
※)「ゲシュタルトの穴」という言葉自体は、心理学の専門用語ではなく、コピーライターが使う“比喩的な呼び名”であり、心理学でいうところの 「完結性・閉合の原理」や「ツァイガルニク効果」、「情報ギャップ理論」 を、文章の中で意図的に使ったテクニックと思ってもらえるとよいです。
人は不完全な情報や途中で止まったものを見ると、「それを完成させたい」「続きが気になる」という心理が働きます。その“落ち着かない感じ”を、あえて文章の中に作り出すのが「ゲシュタルトの穴」。
少し具体例をあげて
この「ゲシュタルトの穴」について見てみましょう。
- 歌のイントロを聞くと、なぜか歌いたくなる
- ドラマを途中まで見ると、続きが気になって仕方ない
- 「ある方法」など、少しだけ隠されると中身が知りたくなる
こうした経験は誰にでもあると思います。
これは、人間の脳が、
「不完全なものを見ると、つい補おうとしてしまう」
という働きを持っているからです。
だから、
- 「イントロを聞く」
⇒ イントロしかないといった不完全なものなので、完全なものにしたくて続きを歌いたくなる。 - 「ドラマを途中まで見る」
⇒ 結末まで知らない不完全な状態なので、落ち着きたいために続きが見たくなる - 「少しだけ隠される」
⇒ 全部を見れてない不安定な状態なので、落ち着きたいために中を見たくなる
つまり、人は「不完全なもの」があると「完全にしたくなる」という脳の働きを持ってるってわけですね。
これを利用し、文章の中で意図的に“欠けた部分”を上手につくってあげると、読者は自然とスクロールして先へ進んでくれる、ってわけです。
文章全体を不自然にする必要はありませんが、疑問を持たずに読んでいる文章の中に穴が空いたように不完全な部分(ゲシュタルトの穴)を作る。これがプロがこっそり使っている、読まれる文章の秘密のひとつです。
ゲシュタルトの穴:普通の文章/失敗例/成功例
ゲシュタルトの穴がうまく作られた文章は、
読者を「もっと知りたい」という気持ちにさせます。
逆に、穴がない文章は、どれだけ良い内容でも、読者から見て退屈に見える場合も多く、そうなると途中で離脱してしまう、ということにもなりますね。
ここでは、ゲシュタルトの穴の使い方がわかるよう、「ブログ収益化」「時間管理」「記事の導入文」という、よくあるテーマで、
- 1.「普通の文章」(ゲシュタルトの穴がない普通の文章)
- 2. 「悪い例」(ゲシュタルトの穴を使ったつもりだけどイマイチになっている例)
- 3. 「良い例」(ゲシュタルトの穴を使った良い例)
の3つを比較して、理解を深めていきましょう。
例①:ブログ収益化
① 普通の文章(一般的・情報は完結している)
「ブログで稼ぐためには、毎日コツコツ更新することが大切です。」
- 一般論。「当たり前のこと言ってるな」としか伝わらず、読んでいても退屈。
- だから読者は新しい情報を求めてスクロールしない。
- つまり「続きを読む理由」がない文章。
② 悪い例(穴を作った“つもり”だが穴になっていない)
「ブログで稼ぐ人は、あるポイントを意識しています。それは継続することです。」
- “あるポイント” と匂わせているが、すぐ答えを出してしまっている
- 「欠落」が一瞬で埋まるため、ゲシュタルトの穴として機能していない。
③ 良い例(しっかり穴が開いている)
「ブログを1年以上続けられる人は“1割だけ”。でも、その1割が“記事を書く前に必ずやっている『ある作業』”を知った瞬間、収益5倍になりました。」
- 常識の否定(穴の強化):
「1割だけ」ということで「え?そうなの?」と心理の揺さぶりをおいている。 - 希少性(穴の強化):
「その1割の人だけがやっている」と、「希少性」「価値が高い」「知らないと損」と、ゲシュタルトの穴を強化している - ゲシュタルトの穴:
「ある作業」とは「なんだろう?」と読者の脳に“欠落”が生まれる - 価値(穴の強化):
最後に「収益5倍」と「穴を知ることの価値」(続きを読む理由)を強化している。
常識を否定とか希少性などは、穴の補強(穴が深くなる)となりますが、こうしたことを意識的に入れていくと、読者の意識は自然と以下のようになることが期待できますね。
- 「その作業って何?」
- 「なんで5倍も収益が上がるの?」
- 「自分もそれ知らないとヤバくない?」
- 「続きを読めば分かるの?読む読む!」
ゲシュタルトの穴は、「穴 × 希少性 × 価値ブースト」の三段構造で、読み進める力が非常に高くなることも感覚的にわかると思います。
例②:時間管理・タスク管理
① 普通の文章
「忙しい人は、ToDoリストを活用してタスクを整理しましょう。」
- 「まぁ、そうだよね」と思われ、読者の感情が動かない。退屈な文章。
- 結果、読み流されて終わりそう。
② 悪い例(穴を作ったつもりの失敗例)
「タスク管理に悩む人には、ある大事なポイントがあります。それは優先順位のつけ方です。」
- “ある大事なポイント” と言いながらすぐ答えが出ている
- 脳が「なんだろう」と思う前に完結してしまう
- つまり、本来の「穴」の効果が出ていない
③ 良い例(読者の脳が“続きを求める”文章)
「1日のタスクが終わらない原因を“時間が足りないから”だと思っている人は多いですが、これは大きな勘違いなんです。
実は、スケジュールを回している人のほとんどが気づいている“ある書き出しの工夫”を知るだけで、作業効率が倍以上になることも珍しくありません。」
- 常識の否定(穴の強化):
「時間が足りないから」と多くの人が信じている前提を覆し、「え?そうなの?」と心理を揺らし、ゲシュタルトの穴を強化している - 希少性(穴の強化):
「スケジュールを回している人のほとんどが気づいている」と「できている人だけが知っている」(自分は知らずに損をしている)とゲシュタルトの穴を強化している - ゲシュタルトの穴:
「ある書き出しの工夫」とは「なんだろう?」と読者の頭の中で欠落が生まれる - 価値(穴の強化):
最後に「作業効率が倍以上」と「穴を知ることの価値」(続きを読む理由)を強化している。
例③:記事の導入文(離脱ポイント)
① 普通の文章
「読みやすい記事を書くには、導入文を工夫することが大切です。」
- 「いや、まぁそうだよね」と、「当たり前」であったり「ありがちなアドバイスだけかな」と思われそう。
- 読者は「はいはい」と思って読み流してしまい、続きが読みたい理由が薄い。
② 悪い例(よくある“穴のようで穴でないパターン”)
「導入文には意外なコツがあります。多くの人はこの部分を見落としていますが、実はちょっとした工夫で読まれやすくなるんです。」
この文章には「意外なコツ」「ちょっとした工夫」と、ゲシュタルトの穴があるように見えますが、この文章がなぜ弱いのか、順番に見ていきます。
- 1)「意外なコツ」「ちょっとした工夫」が曖昧すぎて、穴としては弱い
- この表現だと、読者は「具体的に何の工夫?文章?画像?SEO関係?」と想像が広がらず、肝心の価値が浮かんでこない。結果、“欠けている情報”にならず、穴として機能しずらい。
⇒ 隠す情報はどんなものかがわかるように具体的にハッキリ伝えるようにする。ただし 正解そのものは言わない
- この表現だと、読者は「具体的に何の工夫?文章?画像?SEO関係?」と想像が広がらず、肝心の価値が浮かんでこない。結果、“欠けている情報”にならず、穴として機能しずらい。
見直し例)
「導入文を変えるだけで、読了率が2〜3倍に跳ね上がる“ある書き方”があります。」
(「どの部分」「どういう種類の情報か」が示されるので、読者が価値をイメージしやすい=穴になり得る)
- 2)「意外なコツ」「ちょっとした工夫」などの言葉は、情報の価値が伝わらりづらく、欠落が生まれない。
- 欠落とは、“価値のある情報がわざと抜けている状態”のこと。
- そのために、「知らないと損しそう」「自分のことかもしれない」「結果に関わりそう」といった情報がちらっと見えてることがポイント。
見直し例)
「導入文に“ある一文”を入れるだけで、離脱率が大きく下がります。」
(“ある一文”という具体性と、効果(離脱率が下がる)が同時に見えるので、「え、その一文って何?」と、読者の中に“価値ある欠落”が生まれる=穴として機能する、という感じですね)
- 3)文章の具体性が薄くボヤッとしていて、読者の興味をつかめない
- 「何かよくわからない」から「続き読まなくていいや」みたいに思われそう。
- 価値が見えない(何が良くなるのかがよくわからない)
- 自分に関係するのかわからない
- 背景説明がなく説得力が弱い(刺激不足)
③ 良い例(穴を生かした文章)
「導入文の“最初の3行”を変えるだけで、読者の読み進み方が驚くほど変わります。実は、多くのブロガーが見落としている“ある書き始め方”というものがあるんですね。」
- 常識の否定(穴の強化):
「最初の3行だけなの?」という疑問が生まれる。 - 希少性(穴の強化):
「多くのブロガーが見落としている」→知っていると優位に立てるといった希少性が感じられる。 - ゲシュタルトの穴:
“ある書き始め方”が隠されているため、価値のある欠落が発生している。 - 価値の提示(穴の強化):
「読み進み方が変わる」=成果が大きい。
だから穴を埋める価値が高く、読者の行動意欲が増す。
良い「ゲシュタルトの穴」を作る3つの条件
ここまで具体例を通して見てみると、
「良いゲシュタルトの穴のある文章」には以下の“3つの共通ポイント”があることが分かります。
- ① 常識を揺さぶる(読者の前提を崩す)
- ② 具体的に示しつつ、核心は隠す(価値ある欠落をつくる)
- ③ 穴を埋める価値(効果)を提示する
①から順に少し詳しく見ていきましょう。
① 常識を揺さぶる
まず読者が持っている「当たり前」の考えをを少し崩すことで、頭の中に一瞬「え?」という反応が生まれます。
(小さなパラダイムシフトをまず置く、という感じですね)
これは、その後に出てくる「ゲシュタルトの穴」をより効果的にするする働きがあり、直前にこうした「常識をまず揺さぶる」表現を入れるのがおすすめです。
以下、常識を揺さぶる3つの例。
- 例)ブログが読まれない原因は“文章力”ではありません。
- 例)タスクが終わらないのは、時間が足りないからではありません。
- 例)ブログが伸びない理由は記事数ではありません。
こうした文がまず入っていると、今まで思っていたことと異なることから「え、そうなの?どういうこと?」なんて思っちゃいますよね。
そんな心理的なズレみたいなものが生まれている中で、その後に「知りたいんだけど明確にされてない内容」(穴)があると、「これはなんだろう」という思いがより強くなる(“穴が深く”なる)ってわけです。
※)「ゲシュタルトの穴」の効果がない文章では
常識を揺さぶる内容がなかったり、曖昧だったり当たり前のことしか言っていないかチェックしてみてください。
他にも「意外なコツがあります」「大事なポイントがあります」「ちょっとした工夫があります」といったように、一見ゲシュタルトの穴に見えますが、ただ匂わせているだけになっていないか、もチェックしてみましょう。
② 具体的に示しつつ、核心は隠す
「ゲシュタルトの穴」の一番のポイントは以下の2点になると思います。
- 何の話なのか(どの部分の話か)は具体的に示す
- でも核心部分(肝心な中身)はあえて伏せる
例えば以下の文、
- 「導入文の“最初の3行”に、ほとんどのブロガーが見落としている”ある書き始め方”があります。」
- 「ToDoリストの“書き出し方”を変えるだけで、作業効率が倍になります。」
こレラの文章では、
- どの部分の話か(最初の3行/書き出し方)→ 分かる
- 何をどうするのか → まだ分からない
とな言う形であり、
読者の頭の中には「え?どんな書き方?どんな始め方?」と、強い興味(価値ある欠落)が生まれます。
※)ゲシュタルトの穴になってない文章では
「意外なコツ」「ある工夫」など何に対するコツや工夫なのか具体性がなく、また、方向性がボヤけていたり、自分に関係があるかわからないような文になっていると思います。また穴を作ったつもりでその後にすぐ答えを出したりと、穴が一瞬で埋まってしまうような場合もありますね。
③ 穴を埋める価値(効果)を見せる
読者が「続きを読みたい」、つまりゲシュタルトの穴が有効に機能する場合は、
- 知りたいと思える具体的な穴の存在があり、
- その穴を埋めると得られる価値(メリット)が明確であること、
この2つがセットになっているときです。
上の方で見た以下の文章で言えば、
- 「この作業を知った瞬間、収益が5倍になりました。」
- 「最初の3行を変えるだけで、読了率が劇的に伸びます。」
- 「書き出し方を変えるだけで、作業効率が倍以上になります。」
この例では、「具体的な穴(欠けている具体的な情報)の存在」があり、「その穴を埋めることであられる明確な効果」が見えるため、ここで読者はこう思います。
「そんなに変わるの?これは知りたい!」
「この価値なら、もっと続きを読まなくっちゃ!」
穴が単なる“ただの疑問”で終わらず、
“埋めたい欲求”に変わる(続きを読みたくなる)ってことですね。
※)ゲシュタルトの穴になってない文章ではこの逆で、
知りたいと思える穴があったとしても、その穴が埋まるとどんな効果が得られるのかが明確でないので、自分に影響のあることかがわからず、読む理由が生まれない、みたいな感じになりそうです。
【具体例】導入文に応用してみる
では最後に、具体例として導入文②応用してみた例を見てみます。
記事の導入部は読者がスクロールして読み進めるか、離脱するかの「分岐点」。ここでゲシュタルトの穴をうまく使えば、読者の読み進める力が大きくなりますね。
穴がない導入文の例
「多くの人は“文章力がないから読まれない”と思っています。この記事では、ブログで稼ぐための文章術について解説します。」
導入分としては普通です。
無理やりゲシュタルトの穴を使う必要もありませんが、ゲシュタルトの穴を使う場合と比較すれば以下が言えると思います。
- 情報が“完結”してしまっている
- 読者の悩みに触れていない(=自分ごと化できない)
- 新しい発見や意外性がなく「読む理由」が生まれない
- 核心を隠すどころか、そもそも“核心そのもの”が薄い
→ この文章の先を読む必要性がゼロなので、読者は離脱する。
ゲシュタルトの穴を入れてみた例
「多くの人は“文章力がないから読まれない”と思っていますが、実は本当の理由は“文章力そのもの”ではありません。この点に気づいているのは、ごく一部の人だけだと思いますが、実際、その人たちが押さえている“導入文の欠落”こそが、記事が読まれるかどうかの分岐点。
今回は"この欠落とは何か"、"欠落をどう埋めれば読まれる文章になるのか"を解説します。」
こんな感じにすると、最初の方でみた例のように、以下の要素が入ります。
- 常識の否定(穴の強化):
「文章力が原因ではない」と前提を崩し、え?と心理的な揺さぶりが生まれる。 - 希少性(穴の強化):
「ごく一部の人だけが気がついている」と希少性がある(勝ちがある)と穴を強化している - ゲシュタルトの穴:
「自分もやらかしてるかも」「欠落って何?」という“価値ある穴”が生まれる - 価値の示唆(穴の強化):
「欠落を埋めれば、読まれるようになるかも」「クリック率・滞在時間が伸びるかも」など、未来を想像させている
こうして見るように、読者の頭の中で“欠落を埋めたい”状態になり、自然とスクロールしたくなる導入文になるってわけですね。
まとめ
ゲシュタルトの穴はブログの記事だけでなく、各種SNS、メルマガ、広告(レター)、プロフィール文など、どんな文章にも幅広く応用できるテクニックになると思います。
もっといえば、ビジネス上の交渉時、プレゼンなどにも活用できますね。
ブログの活用では、なにか記事を書いた後、
- 記事のタイトルに“ひとつの穴”を入れてみる
- 導入文の最初の3行に小さな穴を仕込む
など、軽く試してみてください。
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