
AIと言えば、ChatGPTを思い浮かべる方も、まだまだ多いと思います。ただ、実はもう「ChatGPTだけを知っていればいい」という時代ではなくなりつつあります。
ChatGPT、Grok、Gemini、Copilot……。
さらに、画像や動画を作るAI(MidjourneyやHailuo AI)、音楽を作るAI(SUNOなど)まで含めると、今はもう数えきれないほどのAIがありますよね。
「便利そうだけど、正直よく分からない」
「こんなにたくさんあって、結局どれが残るの?」
そんなふうに思って、検索している方も多いと思います。
今回は特に ChatGPT・Grok・Gemini といった会話型の生成AI(チャットAI) を中心に、
仕事で身近な Copilot も含め、「今、何が起きていて、この先どうなりそうか」をイメージできるようにまとめてみました。
AIが増えすぎて、正直よく分からない
TVなどでは今でも「AI=ChatGPT」みたいな説明がされる場合も多いと思いますが、最近はいろいろなAIが次々登場していますよね。
でも性能の細かい違いを見ても、AI初心者の方だけでなく、すでにいくつか使っている人でも「正直ピンと来ない」という場合も多いと思います。
それはなぜかと言えば、AIの性能(賢さ)が格段に上がり、普段使いでは違いがよく分からなくなってきてるから。
実はAIは既に「どれが一番賢いか」という話から、一歩先の段階、「どれが一番賢いか」より「どう使われるか」のほうが大事になってきている、ということです。
※)PCやテレビでも、機能や仕様の数字上の違いはあっても、ある一定のレベルを超えると、正直どれも大きな差がないように見えますが、それと同じ。
だからこそ、以下のような疑問を持つ人が増えているわけです。
- AIの数が増えてきたけど、将来も使われるのはどれ?
- 今から触るなら、どれが無難?
- AIって、この先どうなっていくの?
ChatGPT・Grok・Gemini・Copilotは何が違うのか
では、対話型生成AI(チャットAI)の代表格「ChatGPT」「Gemini」「Grok」、これに加えて、エクセルやワードではおなじみの「Copilot」は何が違うのか、ちょっと整理して見ておきましょう。
まず大前提として知っておきたいのは、
今のAIは「賢さ」だけで勝負しているわけではないということ。
どのAIも、質問すれば答えてくれますし、文章もそれなりに書けます。
違いが出てくるのは、どんな場面で、どう使われるか。
とてもざっくりまとめると、以下のような感じになりますね。
- ChatGPT(OpenAI)
- 会話が自然で、考えを整理するのが得意。
- 文章作成、下書きづくり、悩み相談など幅広く使いやすい。
- 必要に応じて、最新情報を参照しながら答えてくれることもある。
- Gemini(Google)
- 調べものや要約など、情報整理が得意。
- 正確さや裏取りが求められる場面に向いている。
- Google系サービスとの親和性が高く、仕事用途でも使いやすい。
- Grok(xAI)
- X(旧Twitter)とつながっていて、リアルタイム性と自由度が高い。
- だから今起きている出来事や、世の中の空気感をつかむのが得意。
- ChatGPTやGeminiでは踏み込みにくい話題にも、比較的対応しやすい。
- Copilot(Microsoft)
- WordやExcel、PowerPointなど、普段使っている作業の中で手助けしてくれるAI。
- 「会話するAI」というより、仕事を一緒に進める相棒に近い存在。
この中で「Copilot」はチャット型生成AIとはちょっと異なる立ち位置。
ということから、その他の3つを比べてみると、Grokは、ChatGPT、Geminiでは踏み込みにくい話題も対応しやすいですよね。
そうしたことから最近では「Grokが今後広がるのでは」と考える人も多いようです。
では今後はGrokを使えばいいのか、
この点について、もう少し詳しく見ていきましょう。
過去の動画の競争事例で考える
GrokがChatGPTやGeminiより目立つ存在になり、この先さらに広がるのか。ここで、過去の有名な事例を参考に見てみます。
今でこそ、動画はスマホやネットで簡単に見られますが、それ以前には、テレビ番組や映画をビデオテープに録画して見る時代がありました。(1980年代〜1990年代を中心)
その頃、家庭用ビデオには「VHS」(ビクター(松下)) と 「ベータ」(ソニー) という2つの規格が存在していましたが、最終的に生き残ったのは「VHS」。
なぜそうなったのかがポイントで、これがAI時代の今にも共通しそうなところです。
「VHSの方が性能が良かったのかな?」、など想像が出来ますが、実は当時よく言われていたのは以下の評価。
- 画質はベータのほうが良い
- 技術的にもベータのほうが優秀
これだけを見ると、ベータの方が生き残りそうですよね。
ではなぜVHSが生き残りベータは市場から姿を消したのかと言えば、実際に使う場面での「使いやすさ」が大きな理由の1つ。
具体的には「録画できる時間」が大きな要素として挙げられます。
初期のベータは、1本のテープに収められる時間が短く、今から見れば「え?!」という感じですが、何か作品を見ていると、時間の関係でテープを途中で交換する必要がありました。
一方でVHSは、1本のテープで最後まで録画・再生できる。
この「途中で止まらない」という点は、実際に使う人にとって、とても大きな違いだったのは簡単に想像できるでしょう。
(ただしこの録画時間は、ベータ側も黙ってみていただけではなく、長時間録画に対応していった経緯はあります)
さらに、もう一つ重要な要素として有名な話が成人向けコンテンツ の存在。
これは技術の普及を考えるうえでは、避けて通れない大きなポイントでもあり、普及には欠かせないキラーコンテンツの1つとも言えるところ。
※)キラーコンテンツ=「それが見たいから機械ごと買う」レベルの強い動機になるコンテンツ、という意味。
成人向けコンテンツは、
- 利用頻度が高い
- 「見るために機械を買う」動機になりやすい
- 流通量が多くなりやすい
という特徴があります。
VHS、ベータともこのコンテンツはあったようですが、VHSの方が録画時間が長く1本に収まりやすい、規格がオープンでコンテンツ事業者が参入しやすい(ベータはソニー主導で管理が厳しめ)という背景があったようで、結果としてVHSの方に作品数、流通量が集中し、より幅広く受け入れられることになったようです。
結果、以下の流れが加速し、
VHSは「事実上の標準」になっていった、ということのようですね。
- VHSを使いたい(見たいものが多い)
→ VHSデッキが売れる
→ 店もVHS中心の品ぞろえになる
→ さらにVHSが選ばれる
実際にはメーカーの技術競争の背景もあり、
「成人向けがあったからVHSが勝った」という単純な話ではありません。
重要なのは、
- 人が実際にどう使ったのか
- 本音の需要にどこまで応えられたのか
その積み重ねが普及に大きく左右した、ということでしょう。
この構図は、今のAIの世界でも、よく似た形で見られると思います。
AIはこの先「すみわけ」していく?
この「VHSとベータ」の話を、今のAIに当てはめて考えてみます。
VHSが勝った理由としてよく語られる「成人向けコンテンツの存在」(キラーコンテンツの考え方)ですが、本質はもう少し整理が必要そうです。
録画・再生の性能、コンパクトさなど見かけの性能が上がると、最後は「どんなコンテンツを、どこまで扱えたか」という点が普及には大きなポイントになってくると思います。
これは言い換えると以下の2つになるのでしょう。
- コンテンツのジャンルの幅
- 実際に使われる深さ(頻度・本音度)
AIにおける「キラー用途」に近い軸
この考え方をAIに当てはめると、
VHSにおけるキラーコンテンツと近いのは、
AIでは以下の2点だと言えそうですね。
- どのジャンルまで話せるか:
時事、噂話、センシティブな話題、成人向けなど - どこまで本音で踏み込めるか:
表面的な話や建前だけではなく、プライベートな感情や本音まで話せるか
Grokは、成人向けの話題や人に言いにくい本音も含めて、人の生活にかなり近い領域の会話を、そのまま持ち込めることから、ここがキラーコンテンツとなり「近い将来、Grokの一強時代になるの?」みたいに見えるかもしれません。
「こうした内容は、今使っているAIでは話しにくい」
そう感じる場面があると、
ではGrokで...みたいに、流れていく人も多そうです。
この流れは「VHS vs ベータ」におけるキラーコンテンツとよく似た感じですよね。
ただVHSも「それだけ」では勝っていない
ただ、VHSが普及した理由は
実際にはキラーコンテンツだけではなかったようです。
映画やテレビ番組といった日常的な用途でも、十分に使いやすかったという点があり、ここも、普及には欠かせない要素だったようですね。
これはAIを活用するシーンでも同じことが言えるでしょう。
- 正確に調べたい
- 落ち着いて考えを整理したい
- 長く使っても疲れない
- 仕事で安心して使いたい
プライベートできわどそうな話だけではなく、こうした日常用途・仕事用途では、Grokよりも、他のAIが力を発揮する場面が多くあります。
ここで、代表的なAIの役割を改めて整理してみます。
- ChatGPT(OpenAI)
- 会話が自然で、長時間使っても疲れにくい。
- 考えを整理したり、文章の下書きを作ったりするのが得意。
- プライベートから仕事まで、幅広い相談相手として使いやすい。
- Gemini(Google)
- 調べものや要約など、情報を正確にまとめるのが得意。
- 事実確認や裏取りが必要な作業に向いている。
- 仕事用途で「安心して使いたい」場面と相性が良い。
- Copilot(Microsoft)
- WordやExcelなど、実際の作業の中で力を発揮。
- 「会話するAI」というより、仕事を前に進めるための実務アシスタント
こうして見ると、
AIの未来は「一強」というより、多くの種類が自然淘汰されていき、「役割ごとのすみわけに近づいていく」とも考えられますね。
- ChatGPT:
- 会話の自然さや思考整理が必要な場面
- 文章作成や相談相手
- Gemini:
- 正確さや信頼性が重要な場面
- 調べもの、仕事用途
- Grok:
- ジャンルの幅と話の深さが求められる場面
- 本音・プライベート・踏み込んだ話題
- Copilot:
- 実務を効率化したい場面
- Word・Excelなど日常業務
VHSとベータの時代と同じように、AIの世界でも性能が一番高いものではなく、「この用途ではこれが必要」と思われるものが、それぞれの場所で使われ続けていくのでしょう。
どのAIを選んでいけば良いの?
AIについて調べていると、
「性能」「精度」「賢さ」といった言葉をよく見かけます。
でも、VHSとベータの話が示していたように、
一番性能が高いものが、必ずしも良いもの、広がって行くとは限りません。
それと同様、AIで言えば、以下がより大切になるでしょう。
- 自分がどんな場面で使いたいのか
- どんなことをAIに任せたいのか
「自分の用途」により、
それにあったAI選べば十分で、たとえば、
- 本音や踏み込んだ話をしてみたい
- 世の中の空気感を知りたい
そんなときは Grok。
- 考えを整理したい
- 文章を一緒に作りたい
- 相談相手がほしい
そんなときは ChatGPT。
- 調べものをしたい
- 正確さが必要
- 仕事で使いたい
それならGemini。
- WordやExcelの作業を楽にしたい
- 仕事を早く終わらせたい
それならCopilot。
このくらいの感覚で、使っていけば良さそうです。
まとめ
今回は、ChatGPT・Gemini・Grok・Copilotの違いと、今後どのAIが普及していくのかを見てみました。
ポイントは、単に性能が高いかどうかではなく、「どんな用途で、どれだけ使われるか」。
- ジャンルの幅:どんな話題まで扱えるか
- 話の深さ:どこまで本音で踏み込めるか
- 日常・仕事での使いやすさ:安心して任せられる場面があるか
この視点で見ると、今後は「一強」よりも、役割ごとのすみわけが進んでいく可能性が高そうですね。
- Grok:本音・プライベート・踏み込んだ話題(幅と深さ)
- ChatGPT:会話の自然さと思考整理(相談、文章作成、下書き)
- Gemini:正確さや裏取りが必要な作業(調べもの、仕事用途)
- Copilot:実務の効率化(Word/Excelなど日常業務)
自分が何に使いたいかで選んで、合わなければ乗り換える。割とこんな気楽さで使っていくのが良いかと思います。
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