
ChatGPTやGeminiなど、生成AIを使って、「ちょっとした質問はできる」、でも少し複雑なことを頼む場合「どう伝えたらいいのか分からない」「思ったような返事が返ってこない」ってこと、あると思います。
つまり「プロンプトの書き方がうまくいってない」ということですが、そんな時に活用できるのが「メタプロンプト」。
今回は「メタプロンプト」というものを使って簡単に「プロンプト」を作る方法や、すぐ試せるテンプレートなどご紹介です。
「プロンプト」と「メタプロンプト」
よく聞く「プロンプト」とは、AIに対する指示文。
何か聞きたいこと、お願いするときに投げかける文章のこと。
- 「今日の東京の天気は?」
- 「おすすめの映画って何?」
- 「水戸黄門って実在したの?」
これらは質問のプロンプトですが、他にも
- 「以下の文章を箇条書きでまとめて」
- 「この文章をやさしく書き直して」
- 「表にまとめて」
など、仕事を依頼するときの文章もプロンプト。
広い意味で言えば、AIが反応する文章全てがプロンプトであって、たとえば「こんにちは」と送るとAIも「こんにちは、何かお手伝い出来ますか?」など反応するので、挨拶1つにしてもプロンプトってわけですね。
このプロンプトが上手く伝わると期待した答えをAIが返してくれますが、逆にAIからみて「あいまいな内容」であったり、「意味が取りづらい文章」であったりすると、期待した答えが返ってきません。
AIを人間として考えれば分かると思いますが、「あいまいな質問」されたり「よくわからない内容」を聞かれると、やはり相手は困ってしまい、変な答えが返ってきますよね。それと同じです。
そんな時、AIに対して「どう伝えれば期待した答えが返ってくるだろう」と悩むことになりますが、ここで活躍するのが「メタプロンプト」。
「メタプロンプト」って何?
AIから期待した答えが返ってこない場合には、プロンプトを見直すことになりますが、そもそも「そのプロンプトをAIに作ってもらえばいいのでは?」という考えも出てきます。
そんな時に使うのが「メタプロンプト」。
メタプロンプトとは、AIにプロンプトを作ってもらう時に使うプロンプトで、例えば以下のようなものになります。
- 「ブログの導入文を自然に書くためのプロンプトを考えて」
- 「表で整理したいから、表形式で出力させるプロンプトを作って」
- 「イラスト生成でかわいい猫を描いてもらうには、どんなプロンプトがいい?」
「AIからどんな応答が欲しいか」がまずあり、「その応答をAIから得るために与えるプロンプト」がメタプロンプト。
こうしたメタプロンプトが上手く使えれば、AIの力をより引き出せますし、「プロンプトをあれこれ変えて試してはダメ、また試すの繰り返し」、みたいなことも少なくなり効率も上がります。

メタプロンプトの使い方【基本と応用】
では早速、メタプロンプトの使い方を見ていきましょう。
まずは基本編ですが、使い方はとてもシンプル。
「こういうことをAIに頼みたいけど、どう伝えればいい?」と聞くのがメタプロンプトの基本です。
以下3つの代表例:
例1:質問のしかたを考えてもらう
例えば旅行についての質問で、
よくある失敗パターンのプロンプト:
京都でおすすめの場所ある?
まずざっくりと、こうした聞き方をする場合も多いと思います。
シンプルで良いですが、これだとAIが「何を基準におすすめするのか」がよく分からず、なんとなく有名な観光地をズラッと並べてくるだけになる可能性が高そうです。
期待した答えが中々返ってこない、という場合には、
メタプロンプトで、AIにプロンプト自体を考えてもらいます。
AIに“初めての京都旅行でおすすめの場所”についてうまく質問するには、どんな聞き方がいいですか?
↓↓↓↓↓↓
初めて京都を訪れる人向けに、アクセスがよくて観光しやすいおすすめスポットを5つ教えてください
このプロンプトを見れば、「いや初めてじゃないんだけど」とか、「静かなところが良いな」など、どういう条件を入れればいいのか、イメージしやすくなりますよね。
このままで良ければ、このプロンプトを使えば良いですし、初めてではなく2回目で、「金閣寺には行ったことがある」、「アクセスは気にしなくて良いから隠れ家的なところが良いかな」、など、条件を加えたり差し替えれば、AIからの答えも、期待したものに近づきそうですね。
以下、2回目、金閣寺、隠れ家、といった状況を入れたプロンプト例。
京都を訪れるのは2回目で、金閣寺には行ったことがある人向けに、アクセスは気にしなくて良いので隠れ家的なおすすめスポットを5つ教えてください
例2:AIへの作業依頼文を考えてもらう
AIはいろいろな作業をこなしてくれますが、
例えば記事作成の依頼についてみてみます。
以下は、よくある失敗パターンのプロンプト:
ブログの書き出しを書いて。親しみやすい感じが良い。
このプロンプトを送る人の頭の中では「誰に向けたブログ」とか「親しみやすいというのはこんな感じ」というイメージがあると思いますが、AIには勿論それは伝わりません。
AIからしてみると、
- 「親しみやすい感じ」って、どんな雰囲気?
- 「誰に向けたブログ?」
- 「どんな話題について書くの?」
と、分からないことが沢山あるので、結果として、当たり障りのない、平凡な文章が返ってきて「AIって使えないよね」みたいなことにもなりそうです。
ではどんなプロンプトにすればよいのか、ということで、AIにプロンプトを作ってもらうためのプロンプト(メタプロンプト)を送りましょう。
読者に親近感を持ってもらえるような、やさしいトーンのブログの書き出しを作ってもらうためのプロンプトを考えてください
↓↓↓↓↓↓
あなたはブログライターです。読者が共感し、続きを読みたくなるような、親しみやすい言葉遣いで「(ここにテーマを入れる)」についてブログの導入部分を書いてください
こうしたプロンプトをみると、「誰が書く設定なのか」「どんなトーンか」「どんな内容を書くのか」が明確になっていて、これならAIも書きやすいだろうと思われる内容になってますね。
あとはこのプロンプトをベースに、条件を変えたり加えたりしていけばよい、というところです。
例えばママさんが育児系の記事を書こうとしていたとすると、以下のような感じです。
あなたは育児ブログのライターです。30代のママたちが共感できるような、親しみやすい言葉遣いで、「子どもと過ごす雨の日の楽しみ方」についてブログの導入部分を書いてください。
ふんわりしたお願いを“ちゃんとした依頼文”に整えるために、メタプロンプトをうまく使っていくのがコツなんですね。
- 「誰に向けた文章なのか」
- 「どんなテーマなのか」
- 「どんな雰囲気で書くのか」
こうした条件がはっきりしているほど、具体的で意図した回答を返してくれます。
具体的にどう伝えればよいのか分からない「ふわっとした感じのお願い」も、メタプロンプトの力を借りれば、ちゃんと伝わるプロンプト(依頼文)に整えられるんですね。
例3:お願いの形を整えてもらう
3つ目の例として、
「うまく言えないような、自分でもよく分かってないようなお願い」というのが良くあります。
「まとまってないけど、AIなら分かってくれるさ。とりあえず、これで投げてみるか」という感じでAIにお願いしても、やはり期待した答えは中々返ってきません。
例えば以下のようなプロンプト:
最近のAI技術の進歩について、子どもにも分かるように説明してほしいんですけど、ちょっと難しくなっちゃうから、もっと分かりやすい言い方にお願いします
何か、文が長くてまわりくどいような感じで、言いたいことが伝わるかどうか、ちょっと不安。
AIもこうした分かりづらそうなプロンプトの場合、返答がちょっとズレてしまったり、うまく要点をつかんでもらえなかったりする場合も多いです。
「上手く質問がまとまらない」「伝えたいことが簡潔に言えない」と思ったら、そこはAIに「この依頼文、もっとちゃんと伝わるように整えてくれる?」と聞いてみるのが良いですね。
以下の文章を、AIにもっと上手に伝わるようなお願いの言い方に直してください。
——
最近のAI技術の進歩について、子どもにも分かるように説明してほしいんですけど、ちょっと難しくなっちゃうから、もっと分かりやすい言い方にお願いします
↓↓↓↓↓↓
小学生にも理解できるように、最近のAI技術の進歩をわかりやすく、やさしい言葉で説明してください
こうしたプロンプトを見ると、
「誰に向けなのか(小学生)」「どうしたいのか(わかりやすく)」「何について(AI技術の進歩)」が簡潔にまとまってるのが分かります。
すっきりしたプロンプトを見れば、更に詳しい条件を加えたくなってもすぐできますね。
小学5年生にも理解できるように、2020年以降のAI技術の進歩について、難しい専門用語を使わずに、例え話などを交えてやさしく説明してください。
このプロンプトは、AIから返って来たプロンプトを、より詳しくして見た例。
- 「小学生」⇒「小学5年生」
- 「最近のAI技術の進歩」⇒「2020年以降のAI技術の進歩」
- 「やさしい言葉で説明」⇒「難しい専門用語を使わずに、例え話などを交えてやさしく説明」
こうしてみると、何かすっきりしない話し言葉のプロンプトが、「目的がはっきりした依頼文」に整えられ、結果としてAIの理解度も上がります。(つまり期待する答えが返ってきやすくなる)
「うまく伝えられない」「文章に自信がない」と思ったら、自分であれこれ考えてプロンプトを作るより、メタプロンプトでAIに相談をするのが良いですね。
ちなみに、何かの説明文を作る場合「たとえ話を交える」というのは、分かりやすくなる場合が多いので、おすすめのプロンプトの1つ。
うまくメタプロンプトが返ってこない場合には
メタプロンプトを送っても、期待したプロンプトが返ってこず、何か文章が生成されてしまう、みたいなこともありますね。
例えば「子育てブログの書き出しを作るためのプロンプトを考えて」と送った場合に、以下のような回答が来るようなケース。
「はい、以下が子育てブログの書き出しです:
『子どもと過ごす毎日は、小さな発見の連続です。...』」
割とありがちですが、
「あれ?プロンプトが欲しかったのに、書き出してしまった」というようなパターン。
こうした場合には、再度同じプロンプトを送るか、
「どんな聞き方が良い?」など、質問形式にするとAIに意図が伝わりやすくなります。
それでも伝わらない!という場合には、
ちょっと面倒ですが、最初に少し説明を加えると確実性がUPします。
私はプロンプトの作り方を考えたいです。
AIに〇〇をお願いする場合、どんなプロンプトが効果的か教えてください
この例のように最初に「私はプロンプトの作り方を考えたい」と言ったような「やってほしいこと」を一言伝えてからお願いすると、AIも理解しやすくなることが多いです。
是非試してみてくださいね。
Q&A:メタプロンプトに関するよくある疑問
違いをざっくり言えば以下。
- プロンプト: 「〇〇して」「〇〇について教えて」など、“やってほしいこと”を伝えるもの
- メタプロンプト: 「〇〇したいとき、どう頼めばいい?」と、“頼み方”を相談するもの
どちらも「AIへの指示」になりますが、「メタプロンプトはプロンプト作りのためのプロンプト」ということになります。(答えを得る前の「質問の仕方を考える」ためのもの)
はい、勿論誰にでも使えます。
というか、「うまくプロンプトが作れない」「伝えたいことが上手く言葉にならない」と感じた場合は、メタプロンプトの出番です。
「どういえば伝わる?」と相談するだけでAIが一緒に考えてくれるので気軽に試していくのが良いですね。
メタプロンプトは必ずしも万能というわけではありません。
AIは言葉のパターンに反応して動いているので、内容があいまいだったり、前提(条件)が足りない場合は、やはり期待した答えが返ってこない場合もあります。
そうした場合は、条件を追加してより精度の高いプロンプトへと修正していくわけですが、まずメタプロンプトで、より具体化されたプロンプトが得られることがポイント。
そうしたプロンプトがあれば、あとはそれをたたき台として少し見直していけば良いですし、「伝え方に悩んだときに「伝え方ごと相談できる」というのがメタプロンプトの大きな魅力となりますね。
AIは人間と同じように考えてもらえれば良いと思います。
人間にしても、あいまいな質問をされると、なにかズレた回答が返ってくることが多いと思いますが、それはAIも同じこと。
そのかわり、大量のデータから「こう言われたら、こう返す」というパターンを学んでるので、「条件がハッキリした質問」であれば、AIも理解しやすく、期待される回答になる可能性が高くなるってわけですね。
毎回メタプロンプトを使う必要はありません。
慣れてくると、自分でうまくプロンプトを組み立てられるようになるので、そうした時はわざわざメタプロンプトを使わなくても良いですね。
「ちょっと詰まったな」「うまく頼めないな」「伝え方が難しい」など感じたとき「ちょっと聞いてみるか」といった感覚で使うのが良いですね。
まとめ
- メタプロンプトとは「AIにうまく聞く方法を聞く」ためのプロンプト
- プロンプトがあいまいだと、AIからの答えもズレやすい
- 「どんな聞き方がいい?」と質問形式で頼むのがコツ
- 上手く表現できないなど、詰まった時ほど「伝え方ごと相談してみる」というのが効果的
プロンプトで悩んだときは、AIにどうすれば良いか聞く、としていけばよいですね。
難しく考えすぎず、まずAIにプロンプトのたたき台を出してもらい、後はそれを見て、自分の聞きたい内容へと具体性を追加していく、ぐらいで試してみてください。
こうした使い方が出来ると、プロンプト作りの負担も一気に軽減されると思います。
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