いろいろと不安定なこの社会。転職を考え、実際転職する人も多いですね。
中でも新卒入社で3年以内の方の転職も目立っています。
一般的には、転職理由としてキャリアアップや残業などの労働環境、そして職場での上司や同僚、先輩、後輩との人間関係などがあげられますが、さて、若手社員はどんな理由から退職、転職するでしょうか?
意外にキャリア志向という結果も出ていますが...
意外やしっかりしてそう?
新卒3年以内の社員の退職理由はどんなものがあるでしょう?
はじめはゆとり世代からくる「仕事が辛い、残業が多い」、といった労働環境が筆頭に来るかと思いましたが、少々状況は異なるようです。
成長が望めない!
2015年4月に発表された「平成生まれの退職理由ランキング」(Vokers)によれば、新卒入社で3年以内に退職した平成生まれの退職理由第一は、
「キャリア成長が望めない」(25%)
25%といえば、4人に一人はそう感じている、という結構大きな数字です。
その回答をした方々のコメントを見てみれば、
- 安定しているが成長機会が設けられてない、
- 手に職がつかず「つぶしのきかない」仕事に思えた、
- いろいろと挑戦してみたかった、
- 海外へのチャンスがあったため決断した、
など、自分のキャリアに対して前向きに考え、転職の決断をしていることがうかがえます。
年功序列が崩れる時
今までは歳を重ねながらキャリアも少しつづステップアップする、といった年功序列の中で成長してきた企業とその社員たち。
今ではそういった年功序列も崩れつつあり、そんな時代の若手は少しでも早く次のステップに進みたい、という思いが強いようです。
一般の転職理由と比べると
2番目以降の退職、転職理由を見てみれば、
- 残業・拘束時間の長さ、
- 仕事内容とのミスマッチ、
- 待遇・福利厚生
- ...
と続きますが、ここで転職を応援するデューダが発表している転職理由ランキングと比べてみてみましょう。
- 転職理由ランキング(総合)【1位~10位】(2014年版)
1位 ほかにやりたい仕事がある
2位 会社の将来性が不安
3位 給与に不満がある
4位 残業が多い/休日が少ない
5位 専門知識・技術力を習得したい
こちらも他にやりたい仕事がある、つまり自分自身のキャリアアップに関することが転職の一番の理由、そして、会社の将来性や給与、残業の拘束時間と続いています。
それでもこのランキングには本音と建前があり、転職応援サイトの「リクナビ」調査によれば、本音の部分のランキングは以下のとおり。
- 転職理由の本音ランキング ベスト10
1位 上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった
2位 労働時間・環境が不満だった
3位 同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった
4位 給与が低かった
5位 仕事内容が面白くなかった
これらのランキングから見る結果として、一般には「他にやりたい仕事がある」がトップの理由としてあげられますが、実際には職場での、特に上司との関係に問題があったとなります。
考えられる結果
一般の転職理由の本音には上司との関係がでてきます。
それでも今回の「3年以内の若手」というところを考えれば、上司がどう、というより、若い年齢だからこそのキャリ志向の高さがやはり現れ、また若いからこそ2番めに残業や休日労働などの拘束される時間が長いこともあげられる結果になっていると考えられます。
実際のデータを見てみると
実際の大元の調査データを見てみると...
これ、業種別に見た平成生まれ、新卒3年以内の退職理由。
よくよく見れば「キャリア成長が望めない」がトップに来てる業種は「公官庁・独立行政法人」「旅行、ホテル、旅館、レジャー」の業種のみ。
また「残業・労働時間の長さ」を見ると、小売、不動産関連、教育、フードサービス、放送、出版などでトップに来ていて、ぱっと見に本当は労働時間の不満が一番の理由では、と思えるほど。
回答した人数の比率もあるでしょうが、キャリア志向よりも職場環境志向のように見えてきます。
「キャリア成長が望めない」といったキャリア志向は、特に「公官庁・独立行政法人」「旅行、ホテル、旅館、レジャー」の2業種に非常に多い、とした方がしっくりきますがどうでしょう?
まとめ
- 若手の転職理由のトップは「キャリア成長が望めない」がトップの理由
- その後に残業時間といった労働環境が続くという結果
- 一般の転職理由を見てみれば、やはりトップは「ほかにやりたい仕事がある」といったキャリア成長
- それでも本音ランキングを見れば、特に上司との関係に問題があったこともうかがえる。
- 大元のデータを見てみれば、「キャリア成長が望めない」といわれる業種は9種中の2種であり、5種の業種で「残業、拘束時間の長さ」がトップの理由としてあげられている。
- 本当の転職理由は「実は残業、拘束時間の長さ」なのかも知れない
今後を考える
私自身の20年以上会社に務めた経験から言えば、自分の実現したいことが他の場所にあるのであれば、若いほど是非飛び立っていってほしいと思いますし、またそれとは異なり、残業時間や勤務地、複雑な人間関係などの労働条件などが合わない、厳しいということから転職を考える場合には、転職先で再び同じことにならないよう、会社への依存度を下げる努力も必要となると思います。
私も過去そうであったように、ずっと会社一筋に働くと考えている場合、会社から給料をもらうことで一生を終えるといった、自分では気がつかない常識の中で過ごしているかもしれません。実際には世の中にはそれ以外で生きている人も沢山いるというのにです。
会社に依存して生きていくことによって、期待できない昇給やボーナス、それでも上がる税金や保険料、のしかかる住宅ローンに年金不安といった多くの不安を常に感じながら、つらい状況になっていくことは十分予想されるところです。
そういった中で少しでも経済的に安定する方向にもっていくために、新たな収入源を考える必要性も今まで以上に高まっているのではないでしょうか?
現在私は自分の体験を通し、先を見越して何かしなければ、と考えている人向けに無料のメールマガジンを配信しています。詳しくは以下をご覧ください。