最近こそ大企業ではベース賃金のを上げるとか、2014年末では冬のボーアスの大幅アップなど話題があがりますが、今だ実感として感じられない景気の上昇。

そんな中、特に世間の注目が高いブラック企業。

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長時間に及ぶ重労働、賃金不払いのサービス残業、そして健康障害防止対策のない職場と、いろいろと問題もあがり、多くの方がその被害にもなっている一大社会現象です。

そんな中、2015年2月末には労働の大元締め、厚生労働省からブラック企業に非常に関連する法律改定が発表されています。4月16日には「青少年雇用促進法案」として参議院厚生労働委員会で全会一致で可決されたとか。

果たしてブラック企業軽減につながるか?

早速内容を見てみましょう。

ブラック企業対策となるか!?

まずはその厚生労働省の法律案とはどんなものか見てみましょう。
発表されたのは、2015年2月27日のもの。

詳しくは厚生労働省のホームページを参照して欲しいのですが、その内容のポイントを抜粋して要約すると、

改正する法律案要綱のポイント要約
1.就職実現の促進
(1)企業から新卒応募者等に職場情報を提供
(2)ハローワークで労働関係法令違反の求人申込み拒否可能
(3)雇用管理状況が優良な中小企業の認定制度を創設
(4)ニート等の若者に対する自立支援の施設の整備等

2.職業能力の開発向上支援
(1)ジョブカード(職務経歴等記録書)の普及・促進
(2)キャリアコンサルタントの登録制の創設
(3)対人サービス分野等を対象にした技能検定制度の整備

1は、勤労青少年福祉法等の一部改正で、基本は新卒者や新卒者に対する求人に限られます。

2は、職業能力開発促進法の一部改正です。

ブラック企業関連は?

すっと頭の中に入ってきませんが、ブラック企業に関連する内容をピックアップすると以下のようになります。

  • 新卒者に対し、求人する側から応募者等に職場情報を提供する
  • ハローワークでは、新卒者の募集に対し、労働関係法令犯の場合は募集を受け入れないことができる
  • 優良な雇用管理をしている中小企業を認定する制度を設ける。

「新卒者の求人」というところに限定はされているものの、ハローワークでは労働関係法令違反(ブラック企業)の求人は受け付けない、また、企業の職場情報を新卒応募者は提供が受けられる、という内容です。

  • 1.新卒者から見た時
    企業の職場情報が手に入る
  • 2.求人を紹介するハローワークから見た時
    ブラック企業の求人を断れる
  • 3.厚生労働省から見た時
    認定制度に寄る職場環境の向上促進を図る

認定制度はおもしろいですね。
中小企業に限らなくても良いと思いますが、ハローワークに来る求人、ということで大企業は無い、ということなんでしょうか。

ブラック企業対策になるか?

ブラック企業とは、厚生労働省では明確な定義はありませんが、以下の資料からも分かるように、労働関連の法令違反している企業、法人などを指します。

法令違反の大きな項目としては、違法な労働時間、賃金不払い残業(サービス残業)、過重労働等による健康障害防止対策なしなど。

ハローワークの現状と今後

ハローワークでは今まで(多分実態を把握している企業などに対しても)職業安定法により全ての求人申し込みを受け入れることが義務付けられていたわけですが、今回の改正で法令違反企業の求人については一定期間受け付けない、ということができるようになるんですね。

更に最も良いと思われるのが、応募者が必要と思えば、その会社の離職率、給休暇の取得状況、残業時間といった職場情報の開示を受けられる、ということ。

これは非常に大きいなことで、今まではハローワークの職員からなんとか情報を引き出していたと思いますが、これにより希望する企業などの実態把握がしやすくなります。

また更に厚生労働大臣による認定制度も新設予定で、雇用管理が優良な中小企業についてはその認定が受けられるというのも、ひと目で従業員の管理状況が分かることにつながり、結構画期的なことかも知れません。

認定制度に伴って変な業種が増えることが懸念されますが、ギリギリうまく網の目をかいくぐって認定ゲット、などと考える企業が出てこないことを祈ります。

まとめ

成立すれば10月から段階的に実施となる今回の案。
本来であれば直ぐにでも始めたいところでもあると思いますが、徐々にでも社会の健全化を目指して進めて欲しいところです。

  • 2015年2月27日に勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案要綱の概要が発表された。
  • ブラック企業関連では、以下の項目が含まれる。
    • 新卒者に対し、求人する側から応募者等に職場情報を提供する
    • ハローワークでは、新卒者を募集に対し、労働関係法令犯の場合は募集を受け入れないことができる
    • 優良な雇用管理をしている中小企業を認定する制度を設ける。

実際に施行された段階で、ハローワークがブラック企業と思われる企業などの求人正しく判断できるかどうかが課題に見えます。変な癒着が起こらなければいいですけど。

また認定制度もありますが、ISOなどの認定同様、認定される内容と実態が正しくあうのかどうかも大きな課題のような気がします。

今後を考える

法令とブラック企業とのイタチごっこにならないことを祈りますが、企業につとめる、企業に依存した生き方を選択している以上、ブラックと呼ばれる事項と戦ったり回避したりということは避けれません。

今後を見渡せば、特に少子高齢化位に伴う労働環境の変化。経済維持のため海外からの労働力に頼る傾向もより大きくなるにしたがって、社員に求められるのは単なる労働時間の提供ではなく今まで以上に成果重視。

成果を出せる人、出せない人の2極化、更に海外からの労働者に引きづられて、成果の出せない人の賃金低下、といった労働環境の変化。そこには勿論人間関係などのストレス増加や、成果を出すための隠れた自主的サービス残業といった問題も出てくるかもしれません。

1つの会社に依存する、他の選択肢を考えず現状維持に固執する、といったことから、より辛い状況になって行っているのかも知れません。

こういった状況の中、少しでも精神的、経済的に安定する方向にもっていくには、新たな収入源を考える必要性も今まで以上に高まっているのではないでしょうか。

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