サラリーマンは3階建て、自営業は一階建ての年金制度。3階建ては確かに良いですが、じゃぁ、一階建ての自営業はどうなるのか?
一階建てというのは勿論「国民年金のみ」。
国民年金のみで老後の生活が出来るか?
といえば、はっきりいって
出来ません!
ではその不足分を補うために何か用意されているのか?と調べて見たのが「国民年金基金」です。
ではその気になる「国民年金基金」、どんなものか、早速一緒に見てみましょう。
国民年金基金
サラリーマンが3階建ての年金制度を持っているのに比べて、なんで自営業は1階の国民年金だけなんだ!と不思議に思ったことはありませんか?
いや、それはかつての私 σ^-^;) なんですが。
何を隠そう、自営業の方(第1号被保険者)にはそれを補う公的な制度が用意されています。それがこの「国民年金基金」。
国民年金と混同されている方もいるかもしれませんが、全くの別物です。
この「国民年金基金」を利用することで、節税にもつながり、将来的な年金の上乗せが出来るんですね。
国民年金基金とは
国民年金基金とは、会社員等との年金額の差を解消するために創設された公的な年金制度。国民年金の加入者であれば誰でも加入できるものです。
国民年金(老齢基礎年金)とセットで、老後の所得保障の役割を担うものですね。
詳しくはこちらの公式サイトを訪れてみるのが良いですが、情報量が多すぎて迷子になりそう。
ということから、ここで簡単に見てみましょう。
サラリーマンとの比較で見てみれば
この国民年金基金を含めれば、自営業、サラリーマン(と公務員)の年金の全体像は以下のような感じになります。
サラリーマンは、国民年金に加え、厚生年金、起業年金とある3階建て。でも自営業も「国民年金基金」を加えれば、立派に2階建てになるんです。
サラリーマンにも負けず、大きな安心2階建て!
老後の必要費用
この「国民年金基金」では、その公式サイト上、老後必要となる生活費を以下のように見積もっています。
- 65歳以降の平均余命
- 男性 約19年
- 女性 約24年
- 高齢者夫妻の世帯支出
- 月額 27万円
ここから男性の平均余命を元に、65歳以降の老後における必要生活費を
- 19年×27年 = 約6,200万
国民年金は夫婦二人で満額約3,000万円。ということから、
差額の3,200万を国民年金基金で賄おう
というものです。
給付の種類
給付の種類も少し見ておきましょう。
この国民年金基金、給付の種類がたくさん用意されています。
50歳以上、60歳以上はまた少し異なりますが、終身年金と確定年金があり、
- 終身年金:A型, B型
- 確定年金:I型, II型, III型, IV型, V型
確定年金は、受取期間が決まっているタイプです。
種類が多くて目が回りそうですが、公式のサイトで一度じっくり見てみて下さい。簡単に見てみれば、以下のとおり。
- A型 65歳支給開始:終身年金(15年間保障)
- B型 65歳支給開始:終身年金(保障期間なし)
A型、B型は、15年保証かそうでないかの違いです。
- I型 65歳支給開始:15年確定年金(15年間保障)
- II型 65歳支給開始:10年確定年金(10年間保障)
- III型 60歳支給開始:15年確定年金(15年間保障)
- IV型 60歳支給開始:10年確定年金(10年間保障)
- V型 60歳支給開始:5年確定年金(5年間保障)
このI型からV型の違いは、支給開始の年齢と保証期間の違いです。
一口目は終身年金のA型、B型のいずれかの選択。
二口目以降は、終身年金のA型、B型のほかに、受給期間が定まっている確定年金のⅠ型~Ⅴ型から選択となっています。
掛け金やメリットは?
少し目が回ってきましたが、掛け金についても簡単に見てみましょう。
掛け金は、上で見た色々な給付の型、加入口数、加入時の年齢、性別によって掛け金が決まります。
- 月額上限6万8千円。
- 掛け金納付は口座振替。
- 1年分の全納では掛け金割引あり
掛金は、全額が所得控除の対象であり、所得税や住民税の軽減にもなり、お得です。一般の個人年金の控除に比べて断然お得みたいですね。
- 掛金は、全額が所得控除の対象
例としてあげられている数字としては、...
課税所得金額400万円くらいで、国民年金基金の掛金が年額30万円の場合、
- 掛金:年額30万円
- 所得税・住民税:約9万円軽減
- 差し引きで見れば、国民年金基金の掛金:実質約21万円
お得!
まとめ
自営業の方で、自分は国民年金しかないから、銀行などに貯金して残しておかないといけないな、とお考えの方。
実はここで見てきたように「国民年金基金」といった公的年金の仕組みが用意されているんですね。
メリットとして考えられるのは、勿論老後の備えは言うまでもないですが、
- 1.掛け金全額が所得控除になる(節税になる)
- 2.引き落としなので、強制的に年金上乗せを実行できる
節税にもなり、強制的に引き落とされて老後の備えになる。これは考えてみる余地は十分あると思います。
一度サイトを訪れて、色々と検討してみるのも良いですね。
それでも今後を考えると!
いくら2階建て、3階建て!といっても、最近の年金のニュースを見れば、不安になろうというものです。
別に煽るわけではありませんが、事実として近い将来の少子高齢化の波はまず避けられないでしょう。そうなると、受給開始年齢は後ろ倒し、給付金額の減額も現実のものとなりそうです。
私も早期退職して海外で生活している身で、まだまだ年金の受給までには10年以上も先の話ですが、年金制度の行方については、どうなることかとハラハラしています。
こうした状況の中、自営業にしてもサラリーマンにしても、今のまま何も手を打たずに状況を見守っているだけでは、ますますつらい状況になるのは避けられそうにありません。
少しでも経済的な安定を考えるのであれば、今の職に全てを依存するのではなく、別の新しい稼ぎ口を得ることの重要性は、今後ますますた高まっているでしょう。
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