最近話題の老後破産。

バリバリ働いている世代では、不安はあるものの「老後に破産? またまた、そこまで行かないでしょ!?」、と真剣に考えている人は意外に少ないのが現実かもしれません。

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でもたまには時間をとって、少し資金の計算や今後の見通しなどをしてみる時間を持つのは良いことです。

安心できる結果になればそれに越したことはありませんし、不安な結果になれば、対策もたてることができるというもの。

ここでは最近見かけた記事を元に、老後資金は一体どれほどで尽きるものなのか、ちょっと一緒に見てみましょう

77歳で老後資金は尽きるのか?

老後資金について、非常に興味深い記事を見かけました。

  • 老後資金 資産1500万円を月7万円ずつ崩せば77歳で底をつく
    http://getnews.jp/(残念ながらリンク切れ)

高齢化のこの時代、日本での寿命は2013年の統計で見ると、以下のようになっています。

  • 日本人の平均寿命
    • 男性80.21歳
    • 女性86.61歳

77歳で資金が底をつくとなると、その後の3年から人によっては10年以上、いったいどうなってしまうのか考えたくもありませんが、どのような前提や条件でそうなるのか、記事を元に見てみましょう。

前提条件:収入と支出

まずは老後の収入と支出の前提です。

  • 収入(年金) 約17万6600円

数字の出元は、厚生労働省の国民生活基礎調査。年金受給世帯の全体の平均ですね。

  • 支出: 21万7193円

総務省の家計調査による、高齢者世帯の1か月の平均支出(65歳以上の世帯、世帯人員平均1.96人)。

毎月赤字は4万円

収入と支出を見てみれば、差額で約4万の赤字です。

これは個人個人やその家庭で貯蓄を切り崩して工面している、ということになりますね。

前提条件:貯蓄額

ここでシミュレーションされているのは今の50代。老後資金に関する調査を行った所、

  • 約3割が老後資金の貯蓄「ゼロ」
  • それ以外での平均は「1039万円」

ここで見るように貯蓄の全くない人が3割もいることから、貯蓄のある場合とない場合の2パターンにわけ、貯蓄の平均を1000万円、退職金の平均を1500万円として考えます。

  • モデルパターン
    • 退職金だけの 1500万円 がある場合
    • 預貯金+退職金の 2500万円 がある場合

今後の条件の変化

計算する上で重要になるのは、今度の環境変化。

予想される大きな環境の変化には、2015年度から適用される「マクロ経済スライド」があり、これにより年金額が毎年カットされると予想されます。

マクロ経済スライドとは

「マクロ経済スライド」とは、一言で言えば、その時の人口や平均寿命などを考慮して、年金の給付水準を調整する仕組み。

年金は、支払う人と受け取る人のバランスで成り立ちます。支払う人は勿論現役世代、受け取る人は年金受給者である高齢者。

支払う人が減り、受け取る側が増えていく現状、今の年金額の水準を保とうとすれば、当然支払う側の金額が上がり続けます。それではやっていけなくなるため、支払う額と受け取る額の調整をする必要があるんですね。

年金とは、現役で働いている世代が支払う金額で高齢者世代を支える仕組み、という理解をしていれば、自然な流れだと分かるでしょう。

今後のカット率の予想

このマクロ経済スライドという仕組みから、将来的に年金の額も減少が予想され、ここでは以下のように考えます。

  • 10年後には今より月額約2万円減
  • 15年後には今より月額約3万円減

こうなると、現状4万円の赤字のところが、10年後には6万円の赤字、更に15年後には7万円の赤字と、赤字幅が拡大することになりますね。恐ろしい未来予想です。

計算を簡単化するために、15年後、つまり今45歳の人が60歳になった時、出だしからざっくり赤字7万として見てみると...

破綻するのは何歳?

退職金だけの1500万円のパターン

  • 1500万/7万円 = 17.85年
  • 77歳か78歳のころには資金が底をついている

預貯金+退職金の2500万円のパターン

  • 2500万/7万円 = 29.76年
  • 89歳、90歳の頃には資金が底をついている

この結果をどう見るか

確かに、前提条件の通り計算すれば、破綻の年齢は77歳等がでてきますが、前提条件が変われば結果も勿論変わります。

実際には、準備する貯蓄額、支払われる退職金も異なり、個人個人によって違うのでしょうが、大切なのは、今からシミュレーションをしておくこと。

ここで見ているのは単純な計算結果です。
支出として約22万と見てますが、環境によって勿論異なります。

住宅ローンが残っている、残っていないがまず一番に来るでしょう。関連して持ち家か賃貸なのかも重要です。その他にも、たまの旅行や趣味やお付き合いなどの費用も必要、家の修繕、車の買い替えなどの費用も結構かかってきます。

これらを含めると、上のシミュレーションしている年齢は更に更に前倒しになる危険性が大きいです。

年金のカットは誰もが望むところではありませんが、経済の鈍化、少子高齢化から見れば、その流れが自然です。

支える側が減り、支えられる側が増えても同じ額だけは必ず欲しいとなれば、国自体が財政破綻し総崩れの道へまっしぐら。

今後を考えれば

老後資金の考え方、年金の予想、色いろありますが、大事なのは今現在自分の置かれている状況を理解し、将来に向けてどういう選択肢を選んで進むのか、だと思います。

かつて私がそうだったように、(変な自慢ではありませんが)住宅ローンの繰越返済など考えず、どれだけ働けば退職金がどれほどになるのか知らない、自分の年金がどうなる分かってない、保険も言われるがままに契約し、通信費も気にしなければ貯金もあまり考えてない、といったダメダメなサラリーマンでは、将来がとても心配です。
(思わず共感しているあなた!ちょっと生活の見直しが必要ですよ! ^o^)

色々とニュースを見れば、少子高齢化や年金不安に加え、大手企業のリストラ、あがらない給料、各種保険料や消費税アップなどなど、不安材料には事欠きません。

こうした状況の中で、会社に依存し続ける、現状しか見ず、ただ一生懸命働いています、というだけでは、後々つらい状況になるのは予想されるところです。

今後、少しでも経済的に安定する方向にもっていくには、新たな収入源を考える必要性も今まで以上に高まっているでしょう。

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