老後を支える年金制度。年金はしっかり納めてますか?
自営業なら分かりませんが、サラリーマンの方々は、もう自動的に給料から天引きされるため、(私がそうだったように)普段は年金のことはほとんど意識してない方も多いかもしれません。
でもそこが落とし穴!
転職したり、起業したりする場合、自分の妻が専業主婦だったりすると、年金の資格変更をうっかりし忘れ、そのままにして年金支払を忘れてしまってた!というケースが多発しているとか。
今回、その特別追納措置がはじまりますので、ここで一緒に見てみましょう。
Contents
特別措置がはじまります
公的年金である国民年金。
その保険料の未納に対して「特別追納措置」が「2015年の4月から」はじまります。
特別追納措置とは
そもそもこの「特別追納措置」は何かといえば、文字通り、今まで支払いをしてなかった人のための「特別」な「追納」のための「措置」です。
対象
約50万~60万人
期間
2015年4月~2018年3月末
狙い
保険料が未納、または未納期間があるため、将来的に年金がない、ということになったり、低年金になる人を減らすため。
国民の未来を守るため、ということですが...
そもそもどうして
そもそも、どうしてこういう状況になっているかといえば...
特に会社員の夫に扶養されている専業主婦(年収130万未満)の方々ですが、年金の資格は、
第三号被保険者
とよばれるもの。ざっくりですが、第一号が自営業、第二号がサラリーマン、そしてサラリーマンの扶養となっている専業主婦がこの第三号。
この第3号被保険者は保険料を個別に収める必要はありません。細かく言えば、扶養している夫などの第二号被保険者が加入している厚生年金、共済組合が一括して負担する、という形になっているとか。
資格変更の必要性
この第3号被保険者の前提となるのは、
- 第3号被保険者の前提
- 夫の扶養となっていて、
- 夫が会社員であり、
- 自分の収入は130万未満、
であること、ということから、これらの前提が変われば、当然年金の資格も変わります。
- 年金の資格も変わる場合
- 夫と離婚、
- 夫が退職、
- 自身の年収が130万以上、
これは、夫が独立して起業したり、起業以前に職を失った場合なども同様です。こういった場合には、「第三号被保険者」から「第1号被保険者」に資格を変更し、保険料を支払う必要があるんですね。
この変更を怠ると、意識しているしていないにかかわらず、
年金の支払いをしていない=未納
ということが起きてしまいます。そういったケースがあまりに多く、今回はその救済措置がとられたという形。
未納金額はどれぐらい?
では、追納するにしても、未納の金額はどれほどになるのでしょう? 年金支払額は年によって変動しますが、およそ、
月額1万5千円。
- 1年間では、1万5千円×12ヶ月 = 18万
- 5年間では、18万×5年 = 90万
- 10年間では、18万×10年=180万
こうして改めて見ると、結構大きな金額です。仮に5年としても、その額は90万。家計が苦しい昨今、今回の措置でどれほどの方が追納するのか注目したい所です。
対象者には案内を送る、とも報道に有りますが、強制的に徴収する、っていうことではないですよね....?
これまでの年金未納の対応
年金未納については、今までどのような対応だったでしょう?
国民年金の保険料は原則2年が経過すると時効、つまり支払いを受け付けてもらえない、となっています。
え?支払わなくていいの? ラッキー!、なんていうものではなく、将来もらえる年金が減額されることにつながります。
そこで今回、これらの人の救済措置として、最大10年分追納できることになったんですね。第三号から第一号への資格変更をしてなかったなどの資格変更もできます。
年金の基本
国民年金は、ご存知のように老後の生活を安心して送れるよう設立された公的な仕組み。
それでも、そもそもその仕組がどう働いているか、実際を理解している人はそう多くないのかも知れません。
狙いは高齢の世代を支えるため
国民年金は、個人が収めた保険料を運用して利益を出して配分する、みたいなものではなく、支払う世代が高齢者の年金給付を賄うというもの。いわば自分のために支払う、というものではなく、高齢世代を支えるために支払うものです。
不安を煽ってばかりの記事もたくさん見かけますが、それでも少子化が進む現在、今支払っている世代が実際給付を受ける年代になった時、支えてくれる下の世代は果たしてまだ支払いを続けているのでしょうか?
少子化の影響は?
また実際支払いを続けているにしても、少子化の影響から、支払いを受ける世代の数に比べて支払う世代が少ないとなれば、給付を受ける金額をおのずと減らさざるを得ません。
こういったことから年金破綻がいろいろと叫ばれていていますが、その後はどういった状況になっているのでしょうか? 詳しくはまた改めて調べてみましょう。
報道の仕方
これに関連して気になるのは、最近見かけるこの追納関連ニュース、年金を支払ってもらうためなのでしょうが、そういったことに言及しているものは皆無です。
年金破綻が叫ばれる昨今、自分の将来のため、といわなければ、さすがに誰も積極的に支払いなどしないでしょう。
その他
国民年金に関する補足情報としては、年金受給資格の短縮が有ります。
現状では、年金受給資格は現在年金加入期間が300ヶ月(25年)必要ですが、今後、消費税が増税されるタイミングで、120ヶ月(10年間)に短縮されることが決まっています。
まとめ
- 特別追納措置が2015年の4月から開始される。
- 期間は、2015年4月~2018年3月末。
- 狙いは、将来的に年金がない、ということになったり、低年金になる人を減らすため。
今後を考えれば
追納できることは良いですが、年金制度を総合的に見た時に、安心できる仕組みであることをもっと色々とアピールしてほしいところです。
期間も別に区切らなくても、今後ずっと同様なことができるとしても良いと思いますが、期間の意味もよく分かりません。
なんといっても考慮すべきは少子高齢化でしょう。
年金の仕組みを理解している方なら言うまでもありませんが、年金は世代間扶養。
つまり年金を支払う働く世代が、老後を暮らす人達の生活を支えるもの。年金保険料を支払ってますが、それは自分のための貯金、という位置づけでは全くなく、引退した世代を養うためのものなんですね。
ということは、自分たちが年金をもらう年令に達した時、果たして今自分がしているように支えてくれる人達はどれほどいるんでしょうか?ここが少子高齢化の問題です。
少子化が進む、高齢化が進めば、支える世代の人口は当然減り、支えられる高齢者の人口が増えていく。なんといっても世界ナンバーワンの長寿国・日本。
受給できる金額は減るでしょうし、受給年齢も70歳からなどの先送りも考えられます。早期退職して海外に暮らす私も、今後の経過は結構ドキドキしながら見守っています。
こうした状況を考えれば、周囲になされるがまま、何かあれば不満を言って終わり、というだけでは、気がついたら後の祭りともなりかねません。
その時に備えて、国の制度に依存するだけでなく、自分の力で何かしら対策を考えていく、というのが今、そしてこれからのライフスタイルになるでしょう。
経済的に今から将来にかけて少しでも安定する方向にもっていくには、新たな収入源を考える必要性が実は非常に以上に高まって来ているということです。
こういった状況の中、現在私は先を見越して何かしなければいけない、どうしたら、と考えている方向けに、自分の体験を通して無料のメールマガジンを配信しています。
詳しくは以下をご覧ください。