住宅ローン破綻、老後破産、など言われて久しいですが破綻の要因も様々。その中でも特に言われているのが「住宅ローン」です。
憧れのマイホームですがローン年数は35年とする人も多いでしょうか?仮に繰越返済なしで35年支払ったら、あなたは一体何歳になっているでしょうか?今元気なサラリーマンも、退職後の借金はどれほど残っていると想定しているのでしょう。
そんなに長生きしないからという人もいますが、長生きしちゃうのが今の日本の世の中であり、大きな借金は老後の破綻につながる一大事。
ここでは、住宅ローン破綻の実例を通じて、将来の備えとしてどのような対策が考えられるかを探ってみましょう。
ローン破綻の実例
購入時には誰も夢にも思わない住宅ローンの破たんの現実。果たしてどういう形で破綻の道へ入っていくのか、実例を少し見てみましょう。
実例1)退職金減額、病気…売却しても巨額借金
- 購入年:1994年
- ローン額:3900万円
- ローン年数:35年
- 返済額:毎月12万、ボーナス30万円×2回
- 想定外
- 定年時の退職金の大幅減額
- 困難な再雇用
- 妻の病気による家計の悪化
(実例はリンク切れで現在は見れません)
この方の場合、結果としてなんと自宅は売却。
借金600万が残るという結果になってます。
元あった記事には書かれてませんでしたが、ローンが払いきれず、自宅を売却した後は当然賃貸への引っ越しとなったのでしょう。
家賃に加えて借金の返済。住宅ローンの返済と比べてどうなんでしょう?ボーナス払いがなくなった感じだけだったら辛いですね...
実例2)住宅ローンが破綻し任意売却
2つ目の事例は以下。
- 購入年:2003年(平成15年)
- ローン額:3600万円
- ローン年数:35年
- 返済額 毎月12万、ボーナス32万円×2回
- 想定外
- 管理費の負担(年24万)
- 固定資産税の負担(年12万)
- 他のローン(50万)
などで1年間の返済が240万円の負担
(実例はリンク切れで現在は見れません)
ボーナスを乗り越えたと思ったらまたすぐ支払い、という返済の負担が予想もしないほど重かったという事例。
お子様を授かったことで奥さんが退社して収入減。
最後にはカードローンのキャッシングからサラ金への道へ行ってしまったための破綻です。
実態はどうなのか
2025年現在で調べてみると、
住宅ローンの破綻率は約3%と報告されています。
参考)100人に3人が返済に苦しんでいる? – MONEY PLUS
3%と聞くと「なんだ、それだけか」みたいに少なく感じられるかもしれませんが、実際は「100人に3人」、つまり「30人に1人ぐらい」「学校で言えば1クラスに1人ぐらい」が返済できなくなっているということで、誰もがそうなり得る、という感じの数字に見えます。
破綻する主な要因を見ると、収入の減少、支出の増加、また離婚や病気、金利の上昇などが挙げられます。
例えば、2024年9月の報道「住宅ローン破綻が目の前に|FNNプライムオンライン」を見れば、早期退職後の収入減少で住宅ローンの返済が困難になったケースが紹介されてたりしますが、想定してなかったことが起きたり、自分では何ともできない国の経済状況の変化が住宅ローン破綻の引き金となることがあります。
(「予期せぬ」というのがポイントで、これは誰にでも起こり得る事なんですね)
また2024年の秋以降、多くの金融機関で変動金利型住宅ローンの金利引き上げがありましたが、金利の上昇は勿論、月々の返済額の増加につながり、返済計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。
アメリカの金利や景気の状況、ドル円の状況などから今後も国内の金利の上昇は言われ、住宅ローンにはあまりうれしくないニュースも多く出てきます。
住宅ローンを検討する際には将来的な収入の変動や金利の上昇などを考慮した上での計画が必要になりますね。
「無理がない」という返済計画が何より重要で、「予期せぬことは必ず起きる」といった想定を考えた上で物事を決めていくことがとても大切になります。
破綻のリスクが大きい人
破綻のリスクが高いのは、
全体的に見れば実は「大手企業勤務、年収が1000万ぐらいの人達」と言われています。
え!?そうなの?
この層は、たとえ年収が1000万といっても税金等を考えると実際はそれほど特別に裕福というわけでもなさそうですが、「これはあなただからこそオススメします」など言われると、つい「エヘヘヘヘ」みたいに手を出してしまうといったプライドの高い層でもあるようです。
その結果、実際よりも高額のもの、支払い能力を超えたものなどを購入してしまい破綻につながる、というわけです。(なるほどね...)
<高収入の方の(良くない面が出る)特徴>
- 高額なローンと生活水準の維持:
高額な住宅、高級車、子供を良い学校に入れる、生活水準を他の人より高く、といった傾向があり、結果、キャパオーバーの支出が増える - 甘い返済計画:
年収がある程度高いという気持ちがあると、それが過度な自信につながり、キャパオーバーのローンを組んでしまうことがある - リスク管理の不足:
共働きにより高収入となっている場合、どちらかが何かの事情で仕事ができなくなり全体としての収入が激減するなどもある:返済計画がとたんに破綻
逆に年収が400万などの層の場合、自分たちが特別とは思ってないため、上で見たようなプライド作戦には乗りづらく、結果破綻の可能性も低いのだとか。
重要なのは、どれだけの年収でも自分の返済能力を正確に把握し、無理のない返済計画を立てること。
予想しないようなことも怒り得るといった将来のリスクを考え、それに備えたリスク管理を行うことも住宅ローン破綻を防ぐ鍵にもなりますね。
備えあれば憂いなし。(ちょっと違うか…)
老後を脅かす住宅ローン
「老後破産の現実。老後に破産する人は本当はあなたかも知れない」の記事でも書いたように、平均寿命が延び、令和4年(2022年)時点で男性81.05歳、女性87.09歳と過去最高を更新しています。
つまり老後の生活期間も長くなっているということでもありますが、一方、年金については少子高齢化に伴い、給付水準の調整が行われ、将来的には年金給付額の減少が予想されてます。
気が付かないふりをしたいですが、
老後の収入が大幅に減少する可能性も明らかに見えてますよね。
長年勤めた会社を退職し、第二の人生をスタートさせる時に住宅ローンがどれほど残っているかによって、その後の人生も大きく変わろうというものです。
1つの例ですが、老後資金として資産1500万円があっても、月7万円ずつ崩せば77歳で底をつく。そこに住宅ローンが500万とか1000万残ってると考えるとどうでしょう。もう想像したくもありませんが、現実はどうなるか...
なかなか難しいことなのかも知れませんが、基本は(というか絶対に)退職時にはローンを完済できていることを目指し、その中での計画と実行が必要ですね。
老後に破産をしないために
老後に破産をしないため、住宅ローンで破綻しないため、以下のことを冷静によく考える必要があるでしょう。
- 自分の限界を認識すること
- 借りれる額が返せる額とは思わない。
- 自分の収入や支出を正確に把握し、無理のない返済計画を立てることが重要
- 購入物件と価格
- 最悪、売却したい場合に、最低でもローンが支払える額で売れるのか、少なくとも資産価値が下がらなさそうなところを選ぶこと。
- 賃貸と持ち家の比較検討
- 賃貸と持ち家のメリット・デメリットをしっかりリサーチした上で判断する。
- また空き家の増加も社会問題となってなっている昨今、住宅ローンのリスクを十分に考慮した上で慎重に選択する。
- 返済比率をしっかり確認
- 住宅ローンの返済額が収入に占める割合(返済比率)をよく考えて設定する。
(返済比率は年収の20~25%以内が望ましいとされている)
- 住宅ローンの返済額が収入に占める割合(返済比率)をよく考えて設定する。
最後の「返済比率」も要注意。
購入の意思決定をするときには、必ず色々な事例を参照し、セールスマンの気分や自分の体裁などは2の次として考えてくださいね!
(変なプライドで思い切った行動をしないこと!)
まとめ
- 「想定外のこと」からローン破綻につながるケースが多い
- この「想定外のこと」は、実は現実にはよく起こる。
- ギリギリのローン返済は、数年後には破綻への道につながっていると考える
- 老後を考えれば、会社生活が終わるころにはローン返済は終了しているように計画実行する必要がある。
- 定年退職時に住宅ローンが残っていれば、それは老後破産へと繋がる道。
- 自分の限界を認識し、最悪売却する必要が出てきた時に、ローンが残らない額で売れるかどうか、良く検討!
今後を考えると
人生で一番大きな買い物、マイホーム。
大きな買い物だからこそ、ちょっとした無理がその後の破綻を招きます。
私の場合、早期退職して海外移住した関係もあり、購入したマンションは引っ越しのタイミングで売却しました。当時は将来の老後破産などといったリスクの現実感がなく、繰越返済をもほとんど出来てませんでした。(恐ろしい…)
35年ローンでしたが、あのままで行っていたら返済完了はいつになっていたのかと考えると少々怖いものがありますね。
幸いというか、マンション購入時に唯一考えたのは、いつか転職を考えた時にも対応でき、売らなければならない時には売れるような立地(つまりは人気の場所で大きな駅の近く、ということなんですが)であること。
結局海外へ移住する際に売却をしましたが、立地の良さから直ぐ買い手もつき、ほぼ希望額で売却が出来ました。
(売りに出してから2週間ぐらいで即決。不動産会社の担当の人も最短記録だ!と笑ってました。もう少し高めに設定してても良かったかも!残念!)
どういった物件をどういう基準で選ぶか、どれほどローンを払い、いつ返済完了として行動していくかは、普段の生活、将来の人生にとってとても重要なことです。
そういった観点から見れば、会社だけに依存して生きていくことは、景気の波にも左右され、自分の力ではどうにもならない所でいつどうなるか分からない、といったリスクも大きいでしょう。
今後を考えれば、新たな収入源を得て、ローンの支払や将来の貯蓄などを今まで以上に考えていく必要性が高まってきていると思います。
現在私は自分の経験を通し、そうした先々を見て何かしなければ、と考えている人向けに無料のメールマガジンを配信しています。詳しくは以下をご覧ください。
コメント