高い高いと言われる公務員の給料。
公務員の中でも最も身近なものの1つは市役所の職員さん。

日々そこに住む街のために働いてくれてますが、市役所を訪れた時の和気あいあいとした職員間の雰囲気を見るにつけ、もっとちゃんと仕事しろ!給料が高い!と色々言われる対象でもありますね。
確かに待たされたり、待っている横でおしゃべりされると、そうも言いたくなりますが、さて、果たして実際はどれほどの給料なのでしょうか?
国家公務員との比較なども交えて、見てみましょう。
公務員の平均給料
市役所の職員といえば、地方公務員。
地方公務員を語るには、まずは国家公務員、ということで、国家公務員の給料はどれぐらいかから見てみましょう。
国家公務員の場合
一口に公務員と言っても色々な職種がありますが、人事院のデータから国家公務員の平均月額給料を見てみましょう。
【令和6年 2024年版】

俸給表 | 平均俸給額 | 平均給与月額 |
全俸給表 | 336,041円 | 414,801円 |
行政職俸給表(一) | 323,823円 | 405,378円 |
行政職俸給表(二) | 288,144円 | 330,553円 |
専門行政職俸給表 | 354,332円 | 450,499円 |
税務職俸給表 | 353,051円 | 429,500円 |
公安職俸給表(一) | 328,209円 | 388,322円 |
公安職俸給表(二) | 342,677円 | 413,124円 |
研究職俸給表 | 408,682円 | 564,510円 |
医療職俸給表(一) | 515,073円 | 845,153円 |
医療職俸給表(二) | 318,618円 | 362,560円 |
医療職俸給表(三) | 325,124円 | 365,921円 |
専門スタッフ職俸給表 | 497,423円 | 609,589円 |
指定職俸給表 | 861,746円 | 1,033,216円 |
行政職は省庁につとめる事務官や技官など国家公務員一般職や自治体勤務の事務職など。専門行政は、会計検査院職員や特許庁の審査官になりますね。
市役所員に当てはめてみると、国家公務員ではこの行政職(一)にあたりそうです。(行政職(二)は土木や建築など技術職)
またこの表の「平均俸給額」は基本給のみの平均額、
「平均給与月額」は「実際に受け取っている給与(月給)の平均額」のこと。
最初の行の「全俸給表」は、全職種を平均したもの(総合値)、つまり、全体の平均値なので、この行を見れば国家公務員の給料の平均が分かります。
- 国家公務員(行政職(一))
平均月額給料:405,378円 - 参考)最大は指定職:1,033,216円
国家公務員全体でみれば、平均は414,801円。
最大は「指定職」が飛びぬけていて1,033,216円。
この「指定職」とは、色々な省庁でいう審議官級(部長・局次長や主要な地方支分部局の局長)以上といった、いわゆる最高幹部の方々です。公務員の中でも本当に限られたエリート中のエリートですね。
そういったクラスになると平均月額給料も100万越え。(これは見なかったことにするのが一番かも)
地方公務員の場合
次は地方公務員。
こちらは総務省の令和6年(2024年)のデータです。

職種区分 | 平均給与月額 | 平均給与月額 (国比較ベース) |
全職種 | 416,075円 | 373,574円 |
一般行政職 | 402,761円 | 361,724円 |
技能労務職 | 370,291円 | 345,038円 |
高等学校教育職 | 433,141円 | 410,130円 |
小・中学校教育職 | 411,965円 | 396,057円 |
警察職 | 475,875円 | 383,957円 |
これからみると、地方公務員全体では、平均給与は416,075円。
国家公務員と比較する場合には、国比較ベース(残業代などを除いた純粋な基本給+地域手当などを含む「月額の標準的な支給額」)を見ますが、市役所員にあたる一般行政職を見ると361,724円。
- 地方公務員:平均月額給料:402,761円
- 国家公務員と比較する場合の平均月額給料:361,724円
先ほど見た国家公務員(行政職(一))の平均月額給料は、405,378円。平均で見ると、4万円ほどの差があるようです。
団体区分別
役所と言っても、都道府県、市、特別区(東京23区)、町村とその区分もさまざま。
ここで参考まで、一般行政職(役所系)で、各々どうなっているか見てみると、

団体区分 | 平均給与月額 | 平均給与月額 (国比較ベース) |
全地方公共団体平均 | 402,761 円 | 361,724 円 |
都道府県 | 410,148 円 | 362,985 円 |
指定都市 | 435,054 円 | 383,932 円 |
市 | 391,446 円 | 351,799 円 |
町村 | 356,857 円 | 329,541 円 |
特別区 | 424,891 円 | 374,938 円 |
グラフで見るとバラツキがありそうですが、
最低と最高で結構開きがあるようです。
最低が町村(役場)の329,541 円、
最高が指定都市(政令指定都市 市役所)の383,932 円、とその差は約5万4千円。
- 町村(役場)と指定都市(政令指定都市)の差:約5万4千円
何年も前に調べた時には最低と最高では2万円の差でしたが、年々その差は広がってきているのかもしれません。
市役所員の年収はどれぐらい
以上、国家公務員を含めて、市役所の職員の給料はどれぐらいかを見てみましたが、では市役所職員の年収はどれぐらいになるでしょう。
上で見てきた地方公務員の一般行政職(一)の数値を使って大雑把に計算してみましょう。
賞与について
公務員のボーナスは「期末手当」「勤勉手当」が合わさったものになりますが、2024年の夏のボーナスでは平均支給額:約65万9400円。(参考:冬の公務員のボーナス平均額|dメニューニュース)
- ボーナス(賞与)
少しおおざっぱですが、その額が年2回あるとすると、
65万円9000円×年2回 = 約132万円
年収を計算してみると
地方公務員の一般行政職の平均給料と、ボーナスを合わせてみれば、
市役所員の平均年収
402,761円×12ヶ月 + ボーナス132万円(2回分)
= 約483万円 + 約132万円
= 約615万円
- 平均年齢42.1歳(総務省:令和5年時のデータ)
年収615万
40代の平均年収は、2024年のデータからすると、507万円。(参考:年齢別・年代別に見る日本の平均年収|doda(デューダ))
それで比べると、市役所員の42歳、年収615万円というのは、かなりいい感じになるかもしれません。
まとめ
- 国家公務員 :行政職の平均月額給料:405,378円
- 地方公務員:行政職の平均月額給料:402,761円。ただし国比較ベースでは361,724円と、国家国務院より4万円ほど低い
- 都道府県、市、特別区(東京23区)、町村で比較してみると、町村が一番低く356,857 円。政令指定都市が最も高く435,054 円。その差は約8万円。
- 年収を計算してみると
平均年齢42.1歳、年収615万ぐらい
現在でも安定している職業として人気な公務員。
過去には、日本全国で公務員の給料カットや人員整理が行われた時期もありましたが、現在(2025年7月時点)にはそういった動きは全く見られず、むしろ待遇改善へ向かってるようですね。
職業人気ランキングでは、保護者からの人気が高く、子どもについて欲しい職業として、地方公務員が1位、国家公務員が2位といったデータもあるようです。
不安定な状況が続くと、また学生からの人気な職業の上位に上ってきそうですね。
今後を考える
公務員に限りませんが、将来や老後の生活を考えれば、30代で年収相当、40歳で年収の2倍の貯蓄が必要となっているようです。
今だけなんとかなればOK、という生き方もありますが、出口の見えない経済状況、そして深刻な少子高齢化の急加速、このままでいけば助けてくれる人もいない、お金もない、といった未来も見えてきます。
公務員はまだ良いのかもしれませんが、一般のサラリーマンも会社に依存し続ける、現状維持だけを考えていく、というだけでは、つらい状況になることは十分予想されるところですし、新たな収入源を見つけるなどして、自分や家族のためにリスク分散、複数の収入口を得る、ということを考えていく必要もあると思います。
現在私は自分の体験を通し、このように先を見越して何かしなければ、と考えている人向けに無料のメールマガジンを配信しています。
詳しくは以下をご覧ください。
コメント
誤字を発見しました。
茨木ではなく、茨城ではないじょうか?
意図的なものでしたらすいません。
ご指摘ありがとうございます!
茨木ではなく、茨城でした。
ご指摘の箇所を修正しました。
ありがとうございます。
千葉県に浦和市は存在しません。
あるのは浦安市です。
浦和は埼玉県に存在する市です。
ご指摘ありがとうございます!
浦和市ではなく浦安市でした。
ご指摘の箇所を修正しました。