
以前に比べ、働き方の多様化も進んでますが、自身のキャリアを見つめ直し、早期退職という選択肢を選ぶ人が増えています。
かつてリストラの一環として語られることもありましたが、2025年現在では、より主体的に新しい道を切り開くための手段として注目されています。
もしあなたに早期退職の機会が訪れたら、あるいは検討し始めたとしたら、どのような選択をするでしょうか。
この記事では、早期退職の最新の動向を踏まえ、退職後のリアルな選択肢や、早期退職を選んだ場合の後悔しないための考え方について深掘りしていきます。
早期退職とは
早期退職とは、役所や会社、医療や教育機関などに定年まで勤めあげるのではなく、定年前に退職すること。あくまで自主的な退職であり、会社からクビを宣言される「懲戒免職」や「解雇」とは大きく異なります。
(いずれも会社を辞めるのは同じでも、自主的な退職と会社都合による退職では、退職後の失業保険の扱いや社会的評価が大きく異なります)
近年では、企業が組織再編や事業構造の変革を進める中で、早期退職者の募集を行うケースも少なくありません。また、働き方や生き方に対する価値観の変化に伴い、個人の側から主体的に早期退職を選ぶ人も増えています。
私自身も早期退職を経験していますが、
私の場合は会社内で早期退職者募集に応募したのがきっかけでした。
では、現在の早期退職の状況はどのようになっているのでしょうか。最新の動向を見ていきましょう。
早期退職の現状
早期退職といえば、かつては企業の業績不振による人員整理のイメージが強かったかもしれません。でも2025年現在、その背景は多様化しています。
企業側はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や事業構造の転換、また人材の最適配置を目的に、若手からベテランまで幅広い層を対象に早期退職を募るケースが増えています。
一方で、日々のニュースからは、個人も「人生100年時代」を見据え、自身のスキルアップ、キャリアチェンジ、またワークライフバランスの改善のために、主体的に早期退職を選ぶ動きが活発化しているようにも見えます。
特に、キャリアの選択肢が広がる40代〜50代を中心に、転職や独立、新しい働き方を模索する中で早期退職を決断するケースが多く見られるようですね。
具体的に、上場企業における早期・希望退職の推移を見てみましょう。
東京商工リサーチの調査によると、2024年には早期退職者の募集を実施した上場企業数は57社。前年から39.0%増加になりますが、募集人数もおよそ1万人に急増し、3倍になったことが報告されています。

参照元URL: http://www.tsr-net.co.jp/news/
このグラフが示すように、2009年のリーマンショック後の高水準から一時減少傾向となりましたが、2020年のコロナ禍では再び増加に転じています。
(2020年は募集人数が18,635人とピークに達し、パンデミックによる経済の先行き不透明感から、多くの企業が人員削減を迫られた状況が読み取れます。)
その後2022年、2023年と募集社数・人数ともに減少傾向になりますが、2024年には再び増加へ転じました。これは企業の収益悪化というより、事業構造転換やDX推進、あるいは特定の事業撤退など、より戦略的な人員再配置の動きが活発化している影響が大きいでしょう。
いずれにしても、早期退職は、単なる「リストラ」ではなく、企業と個人の双方にとっての「選択」としての意味合いが強まっており、2025年現在もこの傾向は続いていると言えるでしょう。
やめた人は、その後どう思っているのか?
早期退職を決断する理由は、まさに人それぞれ。
そうせざるを得なかった人、別の道を目指して前向きに決断した人、その判断の理由は色々あるでしょう。
予期せぬ形で会社都合の募集に応じざるを得なかった人もいれば、私のように、何かしらの目標や人生に対する考え方を持って前向きに新たな道を選んだ人もいます。
私の場合を参考のためにお話しすると、
- 前々より50歳というのを1つの目安と考えていた、
- 国際結婚していて妻の考え方が柔らかかった、
- ネットビジネスという新たな道への挑戦も視野に入れていた、
こうしたことから40代の後半でしたが決断しています。
自慢できるほどではありませんが、自分なりの考えを持った中での早期退職であったため、その後については(今のところ)後悔はありません。ただ、
あのまま仕事を続けていたらどうなっただろう、
と、いろいろなニュースを聞くにつけ、考えることはよくあります。この記事を書いているのも、そうした問いかけが心のどこかにあるからかもしれません。
早期退職後の「後悔の有無」は、結局のところ、その後の人生をどう歩んだか、そしてその選択にどれだけ納得できているかに深く関わってくると思います。
その後の生き方
早期退職後の生き方は、私が選択した頃に比べると随分多様化していると思います。
単に「次の仕事を探す」というだけでなく、自分の価値観や目標に合わせた、より自由なライフスタイルを追求する人も増えてきてますね。
一般的に、早期退職後の道は以下のようなパターンに分けられます。
- 1.転職してキャリアを継続する
- 2.独立・起業して自身の事業を立ち上げる
- 3.何セミリタイア・悠々自適な生活を送る
- 4.新たなスキルを学び、キャリアチェンジを図る(フリーランス・副業を含む)
ここでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 転職してキャリアを継続する
早期退職後に、また別の会社で働く道を選ぶ人は沢山います。この場合も、大きく二つのパターンがありますよね。
一つは、これまでの経験やスキルが評価されて、給料や役職、勤務地なんか、希望通りの会社に転職できたラッキーなケース。
もう一つは、正直言って希望通りではなかったけれど、とにかく新しい環境で再スタートを切った、というケースです。
40代、50代など私と同じような年代になってくると、年齢や市場の状況、持っているスキルによっては、条件面で結構な妥協が必要になることもあると思います。(自分が思っている自分に対する評価と、世間から見た評価は大きく異なる場合もありますし)
それでも、新しい職場で経験を積んだり、これまでの知見を活かせる場所を見つけられる可能性も十分あると思います。
大事なのは、今の自分の市場価値を客観的に知ること、どんなキャリアを築きたいかを明確にすること。そのためには、転職エージェントを賢く使ったり、自分のスキルを磨き続けたりすることが、とても大切になると思います。
2. 独立・起業して自身の事業を立ち上げる
「もう会社員はこりごりだ!」と、会社、組織、という枠から飛び出して、自分のアイデアや長年の経験を活かして独立・起業する人も増えていますよね。
私と同じ時期に早期退職した方の中にも何人かそうした方もいましたが、早期退職金を元手ににしたり、培ってきた専門知識を活かしてコンサルタントになったり、中には全く新しい分野に飛び込む人もいます。
この道は、自分の情熱やクリエイティビティを存分に発揮できるのが大きな魅力。
でもその反面、収入が不安定だったり、事業の全てが自分にかかってくるという、大きなプレッシャーも当然あり、更に最も怖いのが失敗するケース。
成功すれば、時間や場所に縛られない自由な働き方や、会社員時代には想像できなかったような大きな収益が得られたりしますが、そのためには、常に学び、努力し続ける気持ちが何よりも大切ともなり、会社員時代より何倍も大変な道を歩むことにもなると思います。
ただ、嫌な仕事をして毎日過ごすのではなく、やりたいことに向かって仕事をするなら、苦労も苦労ではなく、やりがいに変わって行くのが、なんと言っても一番の魅力ですね。
3. セミリタイア・悠々自適な生活を送る
最近よく耳にするようになった「セミリタイア」。
完全に仕事を辞めてしまうのではなく、働く頻度や量を減らして、残りの人生をもっと自由に、ゆとりのある生活に使うという選択。
経済的な基盤があり、その上で趣味に没頭したりボランティア活動や地域に貢献したり、はたまた私のように海外に移住してたりして、自分の時間を大幅に増やして活用する生き方と言えるでしょう。
こうした生活を送るには何より経済的な基盤が重要で、そのためにはネットビジネスなどの副業や、年金や貯蓄、そして投資からの収入(いわゆる不労所得ですね)がカギになります。
決して「ただ家で何をするのでもなくゴロゴロしてるだけ」というわけではなく、自分のペースで本当にやりたいことを見つけて、毎日を充実させる。これがこの選択肢の姿だと思います。
ちなみに、早期退職した直後は、長年張り詰めていた気持ちがプツンと切れて、一時的に燃え尽き症候群みたいになる人もいると思います。そういう時期は誰にでも起こりうることだと思いますし、だから焦らずに、少しずつでも新しい興味を見つけたり、人との繋がりを持ったりするのが良いですね。
趣味でもボランティアでも、軽いアルバイトからでも良いので、社会との接点を持ち続けることが、後から後悔しないための一歩になるはずです。もし、もしこの記事を読んでるあなたが、そんな旦那さんを持つ奥さん、そんな奥さんを持つ旦那さんだったら、温かく見守ってあげてほしい。でもたまには、強引に外に連れ出すのも必要かもしれませんね!
4. 新たなスキルを学び、キャリアチェンジを図る(フリーランス・副業を含む)
早期退職では、これまでのキャリアとは全く違う分野に挑戦する、という理由で選択されるケースもこの数年で本当に増えてきたようです。
私の場合も、海外移住を考えた時に、ネットビジネスっていう全く未経験の分野に飛び込んだわけですが、まさにこれが「リスキリング」(学び直し)を通じて新しいスキルを身につけることだったんだな、と今になって思います。
たとえば、Webデザインとかライティング、ITスキルなどは、個人でも仕事を受けやすいとおもいますし(クラウドワークスなど、個人で受注する手段も多いですし)、学び直しの対象として人気ですよね。
会社を辞めてから専門学校や大学、大学院へと通い直したり、オンライン講座で資格を取ったりして、フリーランスとして独立する人。あるいは、一つの会社に縛られずに、複数の仕事を掛け持ちする「パラレルキャリア」を選ぶ人。はたまた、本業は続けつつ、興味のある分野で副業を持つことで、収入源を増やして万が一のリスクに備える人。
早期退職って聞くと、どうしても「今の会社を辞める」というネガティブな感じが強調されると思いますが、実は、自分の可能性を広げて、生涯現役で自分らしく働き続けるための、新しい「働き方」を見つける大きなチャンスになるんですね。
私自身もそうですが、一度きりの人生、新しいことに挑戦するって、ワクワクするもんですよ。
※)当然ですが、良いことばかりあるはずはなく、どちらかというと最初はどん底まで落ちるかもしれませんが、そこは踏ん張りどころです。
後悔はないのか?
早期退職する人は後悔がないのか?
私の場合は、「全くありません」とは言い切れません。
言えるのは、後悔しないように頑張る、ということです。
新たな道を夢見て早期退職したものの、考えていた結果が得られなければ、それは後悔するでしょう。こんなはずじゃなかったと。
後悔する人は、だいたいこうしたパターンが多いのでは?と感じます。
- 1.退職後、条件にあった再就職ができなかった
- 給料がかなり下がり、ローンの支払に苦労したり、役職が全然下がり立場的に辛い、そもそも再就職先が見つからず、お金も尽きてきた、など。
- 2.事業を始めたが思うように行かない
- 赤字続き、倒産など、資金が底をついてしまうなど。
- 3.自由な時間を手に入れたが、やることがない。社会から取り残されている気がする
- 忙しい時ほど時間が欲しいと思ってはいても、いざ自由な時間を手に入れると使い方が分からない、というパターン。
- 隣の芝生が良く見えてたけど、実際はそう見えたというだけだった。
期待していたこと、夢見ていたことが実現されない場合は、「あの時、辞めなきゃよかった」と、やはり後悔します。
特に辞めた後のことを真剣に考えずに早期退職を選んだ人は、きっとその多くが後悔することになるでしょう。こうしたケースはただの現実逃避でしかない場合も多そうで、辛い結果になりやすいなと感じます。
ただ、考えてみてください。
もし早期退職のチャンスがあったのに、決断しなかったとしたら?
きっと「あの時、決断していれば」と、
後でまた別の後悔をすることになると思います。私もそう思いますから。
つまり、早期退職を考える人は、
実際に早期退職してもしなくても、どちらも後悔するってことなんですね。
そうであれば、どうする。
私もそうであるように、
後悔しないよう、これからの人生をどう生きるか、それを考えましょう。
まだこれから早期退職を考える人は、やめた後のことを真剣に考える。これが一番大事なんだと思います。
もし早期退職や再就職を考えているなら、会社の仕事はひとまず最低限の師匠が出ない範囲でレベルを落とし、即効で再就職先を探してみるのも1つの手。
というか、会社を辞める前に再就職先の目途をつけておくことが、後悔しない確率を大幅に上げる一番の近道だと思います。
まとめ
- 早期退職の募集は企業側の戦略的な動きとして今も活発。
(単なるリストラではない、多様な背景がある) - 早期退職後の生き方は、転職、独立・起業、セミリタイア、新しいスキルを身につけてのキャリアチェンジなど多様化している。(自分らしい道を選ぶチャンスとも言える)
- 早期退職して後悔するかどうかは、結局その後の人生をどう歩むか、どれだけ納得できるかにかかっている。(後悔がゼロの人はいない。後悔しないように生きることが何より大事)
- 早期退職を考えているなら、「会社を辞めた後のこと」を具体的に計画することがとても重要。(再就職を希望するなら、退職する前に必ず次の仕事の目途をつけておくこと)
早期退職という選択は、人生における非常に大きな分岐点になります。
そこへと踏み出すかどうか、どちらの道を選んだとしても、何かしらの後悔はつきもの。大切なのは、その後の自分の行動で、その選択を「後悔しないもの」にしていくこと。
その後どういった道を歩むのか、自分自身を最大限奮い立たせ、納得できる未来を切り拓いていきましょう。
今後を考える
私が早期退職を意識し始めたのは40代前半で、決断したのは40代後半です。
丁度会社の経営状態が思わしくなく早期退職希望者の案内がまわり、妻に速攻で相談して即決断。会社では何度も面接を繰り返し(ありがたいことに本当に辞めるのかの意思確認)、そして会社という後ろ盾がなくなりました。
会社を辞めた後の気持ちは、1つは解き放たれたという感覚と、もう1つのは寄りかかるものが何もない、といったある意味不安であったり不安定な感覚です。
その後はハローワークの相談や就職支援サービスも受けましたが、早期退職を決断した時点で海外移住と考えていたこともあり、今では当初の予定通り海外で暮らしています。(移住の準備や引っ越しは大変でした)
今、正に会社を辞めようと考えていたり早期退職を視野にどうしよう、と思っている人も多いでしょう。あなたはこの先どうしたいと考えてますか?
会社を退職する、と簡単に言っても、特に私のように40代後半から50代の人にとっては人生を大きく左右する一大事。その後の収入をどうするか、日々の苦しい家計、住宅ローン、不安な年金に老後のための貯蓄など、会社をやめてどうするんだ、と悩む大きさ、深さも計り知れません。
それでも今までと同じ道の延長線上を歩くのか、
それとも別の道を歩いてみるのかは人それぞれ。
同じ道を歩きながらでも違ったこともできますし、そこは考えどころです。
会社に依存し続ける、現状維持だけを考えていく、というだけでは、中々つらい状況にもなろうかと思いますが、全く別の道をとらなくても、新たな収入源を得ることだけでも未来の可能性は広がると思います。
現在私は自分の体験を通し、こうした先を見越して何かしなければ、非なた収入源を考えたい、という人向けに無料のメールマガジンを配信しています。
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