会社や職場でのストレスの原因、要因となるものには様々なものが有りますが、その中でも最も大きなものの1つが人間関係。

stress

特に上司や同僚との人間関係におけるストレスが大きいようですが、解決もなく、最終的には会社を辞める人も多いようです。

ここでは、その上司や同僚からのストレスはどういったものなのか、またその対処はどうしたらよいのかなどを見てみましょう。また、会社や職場手のストレスが家庭や自分自身にどう影響を及ぼすのかもあわせて見てみましょう。

ストレスの原因:上司

あなたの会社の上司はどんな方でしょう?
仕事における関係も重要ですが、仕事を進める上で、どのような人間関係をつくろうと努めている方ですか?

まずは、上司に起因するストレスを詳しく見てみましょう。

別の記事でも取り上げてますが、それからすると以下の様なものが挙げられます。

  • 言うことがよく変わる
  • 反論を許さない
  • 自分の意見をまったく聞いてくれない
  • 仕事ができない

その他にも、部下にストレスを与える上司とは以下の様なタイプにも言えます。

  • 部下の仕事や行動を、事細かく管理する

要するに、

ワンマン社長気取りのワンマン上司。

仕事ができればそれでも尊敬できる部分の出てきますが、仕事ができない、ともなれば、もう上司も部下も救いよう、救われようがありません。

その他で見れば、上司、部下の関係以外に言える人間関係。

  • 気が合わない
  • 生理的に受け付けない

というのがありますね。

ストレスの原因:同僚

会社での人間関係で言えば、上司とともに大事なのが同僚です。
同僚とのストレスにはどのようなものがあるでしょう?

  • 同性同士で気が合わない
  • 話している相手の反応にイライラする
  • 冗談が通じない
  • 毎日顔を合わせるだけで苦痛に感じる

同僚の場合は、仕事の関係もあるでしょうが、主な理由は対人関係。同じ職場ということから毎日顔をあわせないといけないわけですが、軽い挨拶程度ならまだしも、同じ部署や席が隣とまでなると、心穏やかではいられません。

ストレスの影響

ここでストレスの影響はどんなものか見ておきましょう。

以下、とてもためになる研究結果が3つ紹介されています。
要約ですが...

フランソワラブレー大学の研究

出典:『Journal of Business and Psychology』

上司のマネジメントスタイルと従業員の士気の相関関係調査。

自分たちの自主性と貢献度を上司から尊重されていると感じている従業員は、高い士気を持ち、仕事のパフォーマンスも優れている。

逆に、上司から信頼されていないと感じていたり、生産性が低いからもっと頑張るようにと常に「励まされている」従業員は、より多くのストレスを抱え家庭に持ち帰ることも多く、プライベートな生活や人間関係にも悪い影響を及ぼしている。

ベイラー大学の研究

出典:『Personnel Psychology』

職場のストレスと家族関係に抱える問題との相関関係調査。

上司からのストレスは、家族との関係にも悪い影響を及ぼし、職場でストレスを受けると、家に帰った時、普段ならなんでもない些細なことが我慢できなかったりすることが起きやすい。

テルアビブ大学の研究チーム

出典:『WIRED日本版』

成人820名の20年間にわたる追跡調査。

調査期間中、健康状態は詳しくチェックされ、職場の状況、例えば、上司の態度や、同僚は友好的かどうかについて聞き取り調査を行った結果、同僚の友好度と死亡率との間には相関関係が存在することが分かった。

職場で「仲間からの社会的サポート」をほとんど、あるいはまったく受けなかった被験者は、サポートを受けていた被験者と比べて、調査期間中の死亡率が2.4倍にのぼり、特に、調査開始時の年齢が38~43歳だった人にその傾向が顕著にみられた。

更にまとめてみれば

更にまとめてみれば、以下のようになります。

  • 1)フランソワラブレー大学の研究
    • 部下の自主性、貢献度を尊重する上司の元では、従業員の士気は高く、仕事の成果も高い。
    • 逆に上司から生産性が低いので頑張れと「励まされている」場合には、士気は低く、より多くのストレスを抱える。プライベートな生活や人間関係にも悪い影響を及ぼす。
  • 2)ベイラー大学の研究
    • 上司、職場からのストレスは、家庭内でも普段ならなんでもないことに対して我慢できないなど悪い影響をおよぼす。
  • 3)テルアビブ大学の研究チーム
    • 職場で「仲間からの社会的サポート」が殆ど無い、または全く無い人は、サポートのある人に比べて死亡率が2.4倍。

これらからも分かるように、上司、職場からのストレスの影響は非常に大きく、まとめれば、以下への悪影響につながります。

  • 上司、職場からのストレスの影響
    • 仕事に対する士気と生産性
    • 家庭、プライベートの生活
    • 寿命

これは、普段感じている以上に深刻な問題です。

同僚とのストレス解消法

では、ストレスを感じる上司、同僚に対しては、どのように接すればよいでしょう?

まずは同僚から見てみると...

最低限のお付き合い

冗談が通じない、気が合わない、話が合わない、というストレスがある場合には、無理にお話する必要はありません。最低限のお付き合いにとどめましょう。

何か会話が必要であれば、事務的に話を切り上げて、その後は相手にしないこと。

かまって君やかまってちゃんには、「忙しいので」等で釘を刺す。これを相手に言えない奥ゆかしい人は、最初はキツイかもしれませんが「無言の対応」が一番でしょう。

それでも同じ職場の人間関係。冷めた感じとならないよう、できれば(あくまでできればですよ)せめて挨拶はニッコリ笑って挨拶を交わす、というところはしていきたいもの。

相手の良い所を見つけてみる

嫌いな相手とお付き合いする上で、よくでるのがこの「相手の良い所を見つける」というもの。でもこれは結構、というかとてつもなく難易度高いです。

例え良い所を見つけて「なるほど、そういった良い所があるのね」と思ってはみても、それが尊敬できるぐらい、今までのマイナスイメージを覆すほどのものでないと、効果はないように思います。

あまりこれにまじめに取り組みすぎると、返ってイメージ悪化につながるかもしれませんので、とりあえず試してみる、ぐらいの気持ちが良いでしょう。

自分の鏡

人は自分と同じものを持っている人に対して、親近感を持つこともあれば、無意識の内に嫌悪感を持つこともあります。

この嫌悪感を持つパターンとしては、自分の中で自分が嫌う部分を相手が持っている場合。特にそれを相手が隠さず表面に出してくると、もう生理的に受けつけない、どうしても好きになれない、ということにつながります。

同僚からストレスを受ける場合、一度相手は自分の鏡、と思って、冷静に接するのも1つの手。

自分にも原因が?

自分が相手からストレスを受けているように、相手も自分からストレスを受けているかもしれません。

人間関係は一方通行ではなく双方向。

何かの印象で、全てを悪く捉えてないか、つい悪い態度が相手に出てそれが逆に自分に返ってきているのではないか等、自分を振り返ってみることも大切です。

上司とのストレス解消法

同僚には無言の対応などができますが、上司にはそうもいきません。では、ストレスを感じる上司との付き合いはどうすればよいでしょう?

自己解決:仕事帰りの趣味などを持つ

上で見たように、上司や職場でのストレスは家に持ち込まれやすいもの。そうであれば、会社から家に帰るまでの間にストレス発散の場所があればそれが一番です。

同僚など気の合う仲間と会社や上司の愚痴を楽しむ帰りがけの一杯も効果が大きいところですが、出費が結構かさむのが難点。

それではれば、身体を動かすスポーツジム、スキルも磨けて新しい出会いもある英語などの語学学校なども良いですね。

私はちなみに語学学校がストレス発散を兼ねて自分のスタイルに合っていたようです。

上司の態度を変える

自分に対してどうも上司の態度が冷たい、そういったところからストレスが来るのであれば、上司と友達になる、というのも1つの手。

友達というと語弊がありますが、お、こいつ、良い奴だな、面白いやつなだ、楽しいやつだな、と好感を持たせることです。

何も受けそうな冗談をいう必要はありません。
上司も部下から認められれば嬉しいもの。そこで、上司からの鋭い指摘があれば、「さすが鋭いですね」など感心の意を示したり、上司のちょっとした行動や実績を「すごいですね」など褒めたりすると、自然と良い関係につながります。

上司も同じ人間です。これは何も上司、部下というより、一般の人間関係にも通じることですね。

上司と分かり合う

ストレスを与えるあなたの上司はどんな方でしょう?
単に意地悪な方でしょうか?

そういった方なら話しても無駄でしょうが、でもそうでなく、どうも相性が悪い、とか、お互いの捉え方が悪い、タイミングがどうも悪い、となれば、そこは同じ職場で働く人間同士。上司、部下の評価面談等を利用して、自分の思いを話してみましょう。

勿論話す内容は、その上司が理解できる言い方で話ができるようにしっかり準備が必要です。自分の言葉で一方的に話をして理解されなかったでは話がこじれるだけ。

この時、くれぐれも相手の人格を攻撃することのないように注意して下さい。伝えるのは人格ではなく事象、つまりストレスを感じる振る舞いや出来事です。

また、自分のためだけに言っている、と捉えられると、何を自分のことだけを言っているんだ、子供じゃあるまいし、などと思われないようにすることも大切です。

話をしている意図は勿論自分のストレス解消ですが、伝えるべきことは、仕事の効率をあげるため、もっと良い仕事をして部署全体のパフォーマンスをあげるため、一緒に協力してやっていきましょう、そのために必要だと思っていること、というふうに、自分だけのためではない、上司であるあなたにとっても重要な事、ということを認識してもらうのが重要です。

上司を避ける:部署を移動する

上司とどうしてもうまくいかなければ、部署異動の願いを社内で出す。

これはよほどの理由がなければ出来ない場合も多いですが、それでも毎日ストレスを抱えながら仕事をするのを考えれば、試してみる価値はあるでしょう。

それでも同じ社内のこと。人間関係を崩すことなく、できれば、自分のキャリアアップを図る形で自然な流れとして部署異動の相談をする必要があります。

人間関係を理由に部署異動の願いをした場合、その話が上司の耳に入ると一大事。事態は悪化の一途をたどります。

全てをあきらめる:会社を辞める

最終兵器は会社をやめる。転職する、です。

それでも、これは本当に最終兵器。上司のためになぜ自分が会社を去らないといけないのか。思えば納得できませんが、せめて転職するからには、勤務地などの環境や、給料などの待遇が少しでも上がる、といったようにプラスになる方向に持って行きたいところです。

キャリアップにもつながり、それを目標にすることで日々の充実度も変わり、ストレスを感じることに対しての軽減効果も出てきます。

労災についても見てみよう

ものには限度、限界というものがあります。

過度なストレスから精神的障害を起こしたりする場合には、労災が認定されます。

これはあくまで「業務上」のストレスからくるもの、と認定される必要がありますが、その判断は「心理的負荷による精神障害の認定基準」により行われます。

詳しくは以下を参照してみてください。

全16ぺージで、認定基準は勿論ですが、以下の評価表の記載があります。

  • 別表1として「業務による心理的負荷評価表」
  • 別表2として「業務以外の心理的負荷評価表」

精神障害の労災認定

業務による心理的負荷評価表では下方に見られるの項目に分けられ、具体的出来事や心理的負荷の総合評価の視点、そしてストレスの強度を「弱」「中」「強」と判断する具体例が記載されています。

この資料は、実際にストレスに悩む従業員だけでなく、上司や更に経営者にとって会社、職場でのストレスを考える上でとても参考になると思います。

  • 1)事故や災害の体験
  • 2)仕事の失敗、過重な責任の発生等
  • 3)仕事の量・質
  • 4)役割・地位の変化等
  • 5)対人関係
  • 6)セクシュアルハラスメント

まとめ

  • 会社、職場でのストレスの大きな要因として、上司、同僚からのストレスがある。
  • 報告されている3つの研究結果からは、上司、職場からのストレスは以下に影響を及ぼすと言われている
    • 仕事に対する士気と生産性
    • 家庭、プライベートの生活
    • 寿命
  • 同僚に対するストレスの解消方法、上司に対するストレスの解消方法も色々あり、最低限のお付き合いから、相手を理解、好意を持ってもらう、理解し合うなどがある。
  • 最終兵器は会社をやめることであるが、キャリアップの方向を意識する。
  • 職場のストレスを考える時、厚生労働省発行の精神障害の労災認定書が役に立つ。

今後について

近年益々問題化している職場でのストレス。

まだ学校を卒業して数年という人なら何かと柔軟に対応できるかもしれませんが、年を追うごとに会社をやめたら行き場所がない、生活の糧を失ってしまう、という恐怖がつきまといます。

日々の生活費や毎月のローン、各種保険料や老後のための貯蓄など、今後どうしていくかを考えれば、辛い中でもやっていくしかない、ともなり、問題も解決も複雑で難しいものです。

そういう意味では、多くの人が、学校卒業した後は会社に入り給料をもらって生活する、一生会社に依存して生きていく、といった、ある種の常識にとらわれてますが、世の中を見渡せば、実は他にも選択肢がある、ということも考えてみる必要があると思います。

例としてはちょっと極端ですが、私の場合は会社を早期退職して海外移住してしまいました。ストレスが原因というわけではありませんが、会社に依存して生きていく、ということからは少し離れたライフスタイルを選択した、ということです。

私は私自身の経験から、現状を何とかしたい、先々を見越して会社依存から抜け出したい、と思っている人向けに無料のメールマガジンを配信しています。

詳しくは以下をご覧ください。

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