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ローンも色々とありますが、車や住宅は額が大きく慎重さが大切になりますね。
男の120回払い、360回払い!なども言われますが、住宅購入などで35年のローンともなると、120回、360回どころか、12ヶ月x35年=420回払い。
回数が多すぎてよく分からなくなるほどですが、今回は住宅ローンの年収に対する目安や、忘れてはならない購入後の費用についてなどを見ておき、ローンを組むときの参考としていきましょう。
簡単に考えるのは危険がいっぱい
「住宅破産」「貧困老後」など言われて久しいですが、住宅購入では、その金額が大きいだけに慎重に慎重を重ねないと後が大変です。
ローンを組むとき、「どうせならこれぐらい」「後でなんとかなる」というのは、額が極端に大きい住宅購入ではもの凄く危険なこと。
また住宅購入といったらまず頭金が必要ですが、これは運動に例えれば準備運動にあたるもの。
準備運動もなしに運動すれば身体も故障しますが、住宅購入では頭金が用意出来ていない(準備運動なし)では先々が心配でなりません。
ということから、まずは頭金はどれほど用意するものか見てみましょう。
頭金はどれぐらい?
一般に頭金は「住宅購入価格の20%」は用意するべしと言われます。
これは民間の金融機関の融資限度額が、住宅ローンの場合では物件価格の80%までの場合が多かった、ということに由来しているようです。今ではその状況も変わってきているようですが(100%融資や諸費用を含めた融資を提供する金融機関もあるようですが)、何事もギリギリだとうまくいかないもの。
住宅購入は、購入後どうなるかをしっかり考える、つまりローンの返済がどうなるかをしっかり考え、何年、何十年と渡るローンのある生活を考えるなら、20%とは言わず、25%とか30%ぐらいを頭金として用意する、と考えたほうがよいと言われます。
※)頭金を多めに用意することで、毎月の返済額や総返済額を抑えることができ、金利負担の軽減にもつながります。ただ頭金を多くすると当然手元の資金が減ることになり、何か急な出費が必要な場合がでると対応が難しくなる、ということもあり得ます。無理のない範囲で、でも将来を見据えてしっかり用意していくというのがポイントになりますね。
用意する頭金から逆算した物件価格の例を見てみましょう。
1)頭金が20%の場合
頭金の割合 | 頭金(万円) | 物件価格(万円) |
20% | 100 | 500 |
200 | 1,000 | |
500 | 2,500 | |
1,000 | 5,000 |
2)頭金が25%の場合
頭金の割合 | 頭金(万円) | 物件価格(万円) |
25% | 100 | 400 |
200 | 800 | |
500 | 2,000 | |
1,000 | 4,000 |
3)頭金が30%の場合
頭金の割合 | 頭金(万円) | 物件価格(万円) |
30% | 100 | 333 |
200 | 667 | |
500 | 1,667 | |
1,000 | 3,333 |
1000万の頭金が用意出来る場合、
25%の頭金では4000万の物件、30%の頭金で約3300万の物件が対象になりそうです。
1000万の頭金を用意するには、計画的な準備が必須になる金額。
上の表から見ても分かるように、1000万円を準備できる人が、3000万や4000万といった物件を購入できるとも見ることが出来ます。
これからすると、日本にいた当時の私は(4000万ほどのマンションを新規購入してますが)結構「無謀」な領域に入っていたようです。
(当時は貯金というものを全然してませんでしたので … ^-^;))
月々の支払の目安:年収の比率で考えると
年収の25%を目安にすると危険
つづいて「月々の支払」ですが、
一般的には年収の1/4程度(つまり25%)が目安、と言われています。
金融機関の審査基準では返済負担率の上限を年収の30~35%と設定している場合も多いようですが、これはあくまで融資可能な上限であって、実際の生活の中で使うお金を考えれば手取り収入の20~25%以内に抑えるのが理想的。
というのも、消費税や社会保険料(厚生年金や健康保険、介護保険など)も上がっていくでしょうし、何より給料が上がることもあまり期待できない現状もあり、さらに変動しやすいボーナスは頼りには出来ない(というかしない方が良い)という状況もあります。
現在とこれからの生活をリアルに考え、
年収の25%というより、20%を1つの目安にするのが良いでしょう。
<年収に対する20%の月額>
割合 | 年収(万円) | 年額(万円) | 月額(万円) |
20% | 300 | 60 | 5.0 |
500 | 100 | 8.3 | |
800 | 160 | 13.3 | |
1000 | 200 | 16.7 |
この表から見ると、年収が500万の場合、20%は年100万。月で割ると約8万円が月々の支払の目安、ということになりますね。
同じく年収800万では月約13万、1000万では約16万が目安となります。
これが無理して30%とすると、月々の支払いもかなり変わります。
<年収に対する30%の月額>
割合 | 年収(万円) | 年額(万円) | 月額(万円) |
30% | 300 | 90 | 7.5 |
500 | 150 | 12.5 | |
800 | 240 | 20.0 | |
1000 | 300 | 25.0 |
20%から30%にあげると、月額もいきなりグンと上がる感じです。
年収が500万の場合、20%では月約8万円が30%で12.5万円(4万5千円UP)。年収800万の場合も、20%では月13.3万円が20万円(6.7万円UP)となります。
差額を見ると非常に大きく、
日々の生活にかなり影響が出るな、というのは分かりそう。
ざっくりとした見方
月々の支払いの目安は、
ざっくりですが、家賃から以下の考え方が出来ます。
- 賃貸住宅に住んでいる場合:
住宅購入のための毎月の貯金額+賃貸料 - 賃貸ではない場合:
住宅購入のための毎月の貯金額+α
賃貸住宅に住んでいる場合:
賃貸で暮らしている人では、
一ヶ月の賃貸料と住宅購入のために毎月貯金する額の合計を1つの目安としたもの。
賃貸では毎月の賃貸料を払いつつ、住宅購入のための毎月の貯金をしているとして、住宅購入しても、その合計額が月々のローンと同じぐらいであれば毎月の給料から引いてもやっていける(賃貸の時と同等の生活はできる)ということで、これを1つの目安として考えてみる。
例えば、毎月の家賃が8万円で、さらに住宅購入のために月2万円を貯金している場合、合計の10万円が月々のローン返済額の目安としてみる。
この金額であれば、現在の生活水準を維持しながら返済を続けられるとも考えられますね。
賃貸ではない場合:
賃貸ではない方では難しいですが、食費などを家に入れていたりする場合には、+αとして計算してみようというもの。
例えば、毎月5万円を貯金していて、さらに生活費として親に3万円を渡している場合、合計8万円が月々のローン返済額の目安となります。
ただ、これはあくまで大雑把な目安。
以下に見られるように、
ローンに加えて生活にかかってくる経費を頭に入れておく必要がでてきます。
忘れがちな経費の上乗せ
住宅価格がそれなりにしても「これならローン組んでもよさそうだ」と思っても、簡単に考えるのは間違いのもと。
住宅購入を検討する際、物件価格やローンの月々の支払いに目が行きがちですが、実際にはローン以外にも多くの維持費用が発生します、それを忘れずにトータルで考えましょう。
マンションを購入すれば、ざっと以下の経費がかかります。
- 管理費
共用部分の清掃や設備の維持管理、管理人の人件費などに充てられる費用。全国的にみると月額約15,000円ほどが平均のようです。(確か私のマンションもそれぐらい) - 修繕積立金:
将来的な大規模修繕に備えるための積立金。月額約10,000円から15,000円程度が一般的になるようです。(私のマンションは2万ぐらいだったような) - 駐車場:
マンションには駐車場がついてたりしますが実はこれは有料。マンションの貴重な収入になりますが、この使用料が月額5,000円から30,000円程度。地域や立地によって結構差が出るようですが、意外に見落としがちなので要チェックです。 - 固定資産税・都市計画税:
毎年支払う税金で、物件の評価額や地域によって異なります。これも意外にその時にならないと「え?こんなにとられるの?」なんて気が付きにくいところですが、年間で約10万円とか15万円とかかかります。 - 火災保険料:
火災、自然災害に備える保険料。年間約10,000円から20,000円ぐらい。 - 団体信用保険(団信):
若干おまけですが、住宅ローンを契約する際、多くの金融機関で加入が求められる生命保険。住宅ローンの金利に含まれていることが多く追加で何か支払うということはないと思いますが参考までに。
などなど。
私などもマンション購入してから「結構経費ってかかるもんだな..」と思ったものですが、上で見た項目を足してみると、、マンションの維持費は月々約40,000円から60,000円ほど。年間でみれば約480,000円から720,000円程度と、結構な額になりますね!
(こうしたところから、よく家を購入するか賃貸の方がいいのか、という議論が定期的に湧き上がる)
一戸建ての場合も見てみると、ざっくり以下のような感じ。
<一戸建ての場合>
- 修繕費用:
一戸建ての場合、修繕費用は全て自己負担。30年間で約400万円から800万円の修繕費がかかるとされ、月々に換算すると、約11,000円から22,000円の積立が必要なりそう。 - 固定資産税・都市計画税:
マンションと同様、年間で約100,000円から150,000円程度が目安。 - 火災保険料:
マンション同様、年間約10,000円から20,000円程度。 - 団体信用保険(団信):
マンションと同じ。
これらを合計すると、一戸建ての場合、維持費は月々約30,000円から40,000円。年間で約360,000円から480,000円程度になりますね。
勿論、物件や条件などによって変わりますが、ローンの月々の支払に加えて、5万ぐらいは経費として掛かる、つまり実際の月々の支払いは、
- 実際かかる費用:ローンの月々の支払+5万円
と考えて、
- そもそもこれに耐えられるか、
- 耐えられるだけでは生活もぎりぎりになりどこかで破綻しかねないので、余裕を持った生活ができるか(今まで同等の生活ができるか、貯金できる生活ができるか)
を必ずシミュレーションしておくことが重要と分かります。
なんだかこう考えてくると、
余裕がなければ賃貸のほうが良さそうな気もしますが、それはまた別のお話し。
家庭を支えて人生を楽しむ
給料や年収とローンの支払を天秤にかけて、
なんとかなるぞ、という金額でも、まだちょっと待って下さい。
これから生活していくには、生活費は勿論、自分たちのお小遣い、子供の教育費、車の買い替え、季節の旅行などなど、家庭によっても違いますが、かかってくる費用は様々。
これらも勿論考えて、慎重な計画が必要です。
家庭の費用
=「住宅ローン」+「住宅の経費」+「生活費」
新たな住宅で生活スタートした直後は全てが新しくて新鮮、正に1つの大きな夢がかなった瞬間だと思いますが、それはあくまでスタートにすぎません。
住宅を購入した意味は、そこでの生活が以前に比べて「より楽しいもの」「より快適なもの」になる、つまりは「普段の生活の質の向上」というところにあります。
ぎりぎりだけど思い切ってローンを組んで住宅購入、でも予想以上にローンがきつい、他にもこんなにお金がかかってローンが苦しい、払えない、などなれば、一番の目的であるはずの「普段の生活の質の向上」など実現できるわけもなく、ローンのために「質が以前より落ちた」となれば、何のための住宅購入だったのかも分からなくもなってしまいます。
なんとかなるさ、というその場の勢いに流されることなく、購入を考えている住宅、マンションの営業マンともとことん話をして全て納得した上でYes/Noの決断をしましょう。
引く必要があると感じた時は、思い切って引くことも物凄く重要なことです。
まとめ
人生の中で最も大きいと思われる住宅ローンを見てみましたが、慎重に慎重を重ねる事が必要です。
上で見てきた目安は、購入する物件、個人の収入、その他もろもろの条件によって異なります。一時の駆け込み需要などに惑わされることなく、自分や自分の家庭にとって適正な額はどれほどか、あせらずじっくりと検討しましょう。
また、住宅ローン関連で世間をにぎわすニュースの一つが「住宅ローン破綻」やそれに関連しての「老後破産」。
住宅購入当初は誰もが想像してないと思いますが、でも現実には「住宅ローン破綻する人」、退職後にローンが払えず「老後破産する人」は年々増加しています。
自営業でもサラリーマンでも、今は良くても1年後はどうなっているかわからない。本業や会社への依存度が高い、全てをそこに頼った生活をしているほど、知らず知らずにそのリスクも高まってきているように思います。
時代の流れとともに副業も会社から認められるケースが増えている現在、今後しっかりと経済的な安定を求めるのであれば、本業、会社以外にも収入源を得ていくことがより重要になっている、と言えるでしょう。そのためには少しでも早く行動を起こし、1年後というより5年後10年後の未来を見据えて活動していくことが何より大切なことになりますね。
私はそうした先を見越して何か行動したいと思っている意識の高い方に向けて、自分の経験を通した無料のメールマガジンを配信しています。
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